ゆいに情欲を抱いてしまったのが、山崎の不運だった。
山崎の感情はゆいを求めるが、山崎の理性はそれを許さなかった。
無意識に「正当な荒らし」としての自我を脅かすその欲望を抑圧してしまい、その抑圧された欲望はゆいをますます「邪悪な女」として憎むようにと彼を仕向けたのだ。
山崎はゆいの「邪悪」が、彼の歪んだ心の鏡に映しだされた、彼自身の「欲望」なのだということに気づかなかった。
気づかないまま、山崎はゆいに対する憎悪を募らせていった 。
だから、山崎自身が自らの欲望に気づいたときにはもう遅い。
彼はもう自分を止められないのだ。
ゆいを愛人にするか、それとも邪悪な存在として叩くか。
二つに一つしかなかったのである。

傷ついた彼のチキンハートを癒してあげるスレ