ナギはこのところ年上の種付経験者に、乳牛の情報を聞きまくっている。あにぃの相手をする乳牛が気にかかって仕方無いのだ。
トンに、あにぃの種付に自分も立ち会わせてくれ、と頼みもしたが、断られた。
俺もあにぃのように乳牛とやりたくなった、あにぃと一緒に行かせてくれとも頼んだが、そのうち嫌と言うほどやらせるから今はまだ鋭気を養っておけ、と却下された。
情報収集の結果、乳牛の居住地は3ヶ所あって、@良血乳牛+戦で拉致してきた他集落出身のうちから選ばれた乳牛 A妊娠・授乳中の乳牛 B一般乳牛 に分かれて生活していることがわかった。
@Aの居住地は太鼓持ちを何人も配置して厳重に管理しているが、Bは、馬乗り船乗りはいつでも好きなときに出入りして種付可能だ。ただし血統表づくりの資料として種付後には乳牛係に名前と交接日時を申告しておく必要がある。と知った。
馬乗り船乗りが良血の乳牛に種付けするのは年に数度の頻度で、ほとんどの時は一般乳牛を相手にしている。時期によってはほとんどの乳牛が妊娠して、交接できる乳牛が不足してしまう時もある。そんなときは可愛らしい稚児や、容姿の綺麗な若者が同僚に追い回されるものだが、さすがにアニの庇護下にあるナギに手出しをする者は誰も居ない。