>>22
一番星が地平線を昇り始める頃からもう俺は落ち着かない。あにぃに会う前に、体を綺麗にしておかなくちゃ。今日は特別の日なんだから。
洗っても洗っても洗い残しがあるような気がして、俺は何度も小屋と川を往復する。空から夕焼けの赤色が消え始め、闇に変わろうとしている。
人差し指くらいの長さの魚が浅瀬に取り残されているのを見つけ、素手で捕まえた。魚は俺の手の中でぷるぷるぴくぴくと動く。

あにぃは、魚みたいにぷるぷるぴくぴくするお前がかわいくてしかたないと言っていたっけ。俺はこんな感じなのかな、と思った。