俺がそう思ったのにすぐ気付いたのか、あにぃは俺に訊ねてきた。
「俺は変な顔をしているか?・・変な顔した俺が怖いか?」
変な顔してる。でも怖いとは思わない。と俺は答える。
「俺がもっと変な顔をしても、俺を嫌いにならないか?」とあにぃは訊ねる。
嫌いになるもんか。なんでそんな事を聞く?と俺は答える。
「だってお前はまだ・・・・」
あにぃは言いかけて途中で止める。
白いのが出てこないから一人前じゃ無いと言いたかったんだろう、と思い、俺は本気で腹が立った。あにぃが戦に行ってから、俺がどんなにあにぃの事を想っていたか。
「俺はずっとあにぃを思っては、ぽをしごいて気持ちを静めていたんだ。さっきもあにぃが水浴びをするところを隠れて見てて変な気持ちになってたんだ。俺だって変な気持ちになる、もっと変な気持ちになりたいくらいだ」
石の上に丸まったまま首だけを持ち上げ、大きな動物を威嚇する小動物のように、俺はあにぃに抗議した。