やめて、楓ちゃん落ち着いて!
「今さら何言うとるん? もいもいに頼んでこんなん生やしたんは美兎ちゃんやろ」
いや、確かにそうだけど。私はここまでするつもりじゃなくて!
「これ見せて驚かそうとしてたくせによく言うわ」
だめだ、樋口楓ステイ! 待て! ますばこの手を離せ。
「駄目。このまま最後までしちゃうから」
こ、この馬鹿力女、いい加減にしろ。始めてが女神棒で良いわけないだろ。バージンくらい大切にとっとけ。
「……そんなん、美兎ちゃんにあげることしか考えとらんよ」

――っちゅ。

ついに楓ちゃんの窪みが私の先端と触れる。その暖かさを感知するだけで、私の腰はがくがくと痙攣し始めた。
「ん、ふふ。キスみたいな音しとる。もっとこれ聞きたいな」
くち、くち、ぬちゅ。お互いの粘液を混ぜ合わせるように、性器同士を擦り合わされる。
その腰の動きがあまりにも官能的すぎて、先端だけの刺激は物足りなさすぎて、ぬるぬるが気持ちよすぎて。
いや、駄目だ。正気に戻れ。快楽になんか屈するな。彼女への説得を続けるんだ、私。
「っん、そんな辛そうな顔せんでええよ。私なんかの始めてで良ければ、今すぐあげるからな」
やめて、そんなこと言われたらほしくなる。やめて。
ぬち、ぷぢゅ、ぐちゅ。ふたりの滑りは徐々にスムーズになって。
指同士を絡めるように繋がれて、上の唇も奪われて、頭が働かなくなってくる。
「……美兎ちゃん、繋がろか」
私はだらしない表情のまま、よだれを垂らしたまま、首を振ることもできなくて。

ゆっくりと、暖かさが下りてくる。口でしてくれた時みたいなぬくもり。入り口の感触も唇と似てる。
でも、中の感触は全然違っていて、でこぼこの通路が、楓ちゃんの壁全てが、私のことを締め付ける。
私の腰と彼女の腰が触れて。パズルのピースがきっちりと噛み合うように、私たちはひとつになった。
ああ、今すぐこの熱い肉壁をぐちゃぐちゃに掻き回してやりたい。本能に任せて腰を打ち付けたい。

「……くふふ。我慢できるけどな、ちくちくするんよ。ちょっとだけぎゅっとさせてな」

そう言って笑う楓ちゃんは涙目で、声も震えていて。
それが何故なのか分かった私は、ひとまず頭を抱き寄せてあげることにした。