「み、みとちゃぁん……私、子供なんてできてへんのに」
今にも泣き出しそうな彼女。大丈夫だよ、そんなことで気持ち悪いとか思わないから、と励ます。
それは私がモイラ様に頼んで引いた女神ガチャのアイテム『ハニーニップル(R+)』の効果だし。言えないけど。
「落ち着いて、楓ちゃん。わたしが何とか調べてみるからさ」
うん、うん、ごめんね、と涙目で訴える彼女の胸元に目をやると、透明な液体でワイシャツが透けていた。
うん、エロい。彼女を騙した罪悪感は黒い下着を見た瞬間に昂る情欲に蹴り飛ばされてしまった。
「これ、何もしなくても出てくるんだね……調べるから、服を取っちゃうね」
「う、うん。平気かな、何かの病気じゃないかな」
「病気だったら一生看病してやりますよ……っと!」
がばっ。医療行為という免罪符のお陰で、脱がす時に何の抵抗も受けることはない。
少し物足りなさを感じつつも、デカチチ特有のごてごてした下着まで一気に剥いでやった。
「ど、どう? 私の胸、おかしくなってない?」
いつもと違うところ。彼女の胸は、自身から滲み出た液体によってどろどろのてかてかに輝いている。
それに、乳頭全体が哺乳瓶のようにこんもりと膨れて、いわゆるパフィーニップルを形成していた。
「……んー、見た目にはあまりわからないかも。何の液だか確認するね」
「え、美兎ちゃん、ちょ、やめっ」
はむ。有無を言わさずちくびさんにかぶり付いてやった。ペロッ……これは、蜜!?
感じるのは甘味だけ……ではなく、楓ちゃんの華やかな汗の匂いも混じって深みのある味わいが鼻の奥に広がる。
普段吸い付いているだけでもお腹が熱くなるのに。こんなの駄目だ、『じゅんっ』て音がしてしまいそう。
「んっ、ど、どうなん? まずかったらペッてしてや」
「なるほどね……まずくはない、です。これ、全部吸い出したらいいんじゃないですかね」
ああ、段々芝居が乱雑になってきた。ちゅう、ちゅう。だってこれ美味しすぎるんだもん、仕方ないよ。
「んっ、んンっ、みとちゃん、ほんとに、治す気、あるん……? っん」
はい、もう片方に移ります。あむ、もぐもぐ、ちゅうちゅう。んへぇ……あっまぁ……。
「もう、赤ちゃんみたいに夢中になって吸い付いて。このお汁、そんなに美味しいん?」
うん。うん。甘くて楓ちゃんの味がしてとまらない。おいしいです。ずっとすいたいです。
「あほ。それなら好きなだけ吸っててや。っん……可愛いんやから、ほんまずるいわ」
うへへ、あたまなでなでされちった。わたしもがんばってすいだすね。ちゅう、ちゅう、ちゅう。
……気が付いたら翌朝だった。乳を吸いながら寝落ちしてしまっていた。
「……胸、治っとる……?」
モイラ様の言った通り、アイテムの効果は一晩で切れたようだ。
「美兎ちゃんのお陰、なんかな。看病してくれる、って言ってくれてすごく嬉しかったよ。ありがとね」
「い、いえいえいえ、ま、さすがわたくし? 天才委員長ですから?」
今回はどうにか誤魔化せたものの、私自身が正気を失ってしまってはバレるのも時間の問題だろう。
それに、良心がずきずき痛むのも考えものだ。まだまだ改善の余地はたくさんあるな。
次はアイテムの効能に気を付けて挑もう。そう決心しながら、今夜分の女神ガチャアプリを立ち上げたのだった。