いつものように美兎ちゃんが隣で寝ている。
お寝坊な兎さんはわたしより早く起きてくることなんてない。
せっかくやし頭が冴えるまで美兎ちゃんの寝顔でも眺めて過ごそ。
…美兎ちゃん寝てるのに落ち着きないなぁ。ずーっと身体もぞもぞもぞもぞさせて。夢の中で北極にでも飛ばされたんかな。
しゃーないなあ。なでなで。こんだけ美兎ちゃんが寒そうに身を震わせてるのに撫でて暖めないわたしがどこにいるものか。
ふへぇ。あ、美兎ちゃんがしあわせそうな表情してる。もぞもぞも止まった。どうやら美兎ちゃんを南国へ連れて行けたようだ。よかったよかった。
しゅいいいいいい…
ん?何か妙な音がする。音は…この布団の中から。え、もしかして、ちょっと布団の中を失敬させてもらう。
おおぅ。これは間違いなくおねしょというやつだ。独特な匂いを漂わせて、寝間着を精一杯びしょ濡れにさせて、ぶるっと身震いをして完璧なおねしょ兎さん。
疲れとったんかなあ。それともまさか毎晩の営みの方向性がねじれすぎて美兎ちゃんが幼児退行を起こしたのか。とにかくこのまま美兎ちゃんが起きたら色々とマズい気がする。
樋口楓の闘いは始まったばかり。