このアイテムが発動した方は、心の声を隠せずに相手へ伝えてしまうのだわ。
受け側の声を伝えるのも、実際に悦んでいるかどうか伝えられてお勧めなのよ。
「ほぉーん……なるほどね」
こんなんあの女に発動するしかないだろう。私に発動したら気持ちいいところが全て伝わるだけなのだから。
それに楓ちゃんの欲求や弱点が分かったら収穫になる。私は迷わず対象を『相手』に選択して確定を押した。
「美兎ちゃん、かわええよ」
「ふぇ、そんなに見ないでください……」
そう、今日も今日とて私が押し倒されるかたちになってしまった。誉め殺しはやめろ樋口。
せめてもの抵抗にと、目の前にぶら下がった乳袋にしゃぶりつく。さぁどこが望みだ、早く吐いてしまえ。
「美兎ちゃん、赤ちゃんみたい。んふふ、もっと触ってええんよ」
(美兎ちゃん、赤ちゃんみたい。ホントかわええな)
おい、心の声の方がトーンが低いってどういうことなんだ、お前ふざけんなよ。下の方もいじってやるからな。
「ふふ、やん。いきなりそんなとこ触るなんて、美兎ちゃんのえっち」
(美兎ちゃん、今夜は発情しとるんかな……それなら思い切り気持ちよくしたるからな)
おい、違うから。私のことはいいからお前の情報を漏らせっての。うわぁ、撫で回してくるなぁ!
「んふふ、美兎ちゃんがその気になってくれて嬉しい」
(どうしようかな……かわいいお口にキスしたいけどもう少し盛り上げてもええかな)
だからさぁ、したいことじゃなくてしてほしいことを考えろよ。キスくらいいくらでもくれてやるからさ。
(あっ、美兎ちゃんから口を尖らせてくれてる、嬉しい、嬉しい。すぐにあげるから。はいどうぞ)
(んんっ、美兎ちゃんの唇柔らかくて気持ちいい。私なんかでよければもっと甘えて、もっと夢中になって)
(キスしながらちくび触られるの美兎ちゃんめっちゃ好きやもんな。ほら、先っぽくりくりしたるからね)
(こんな密着して美兎ちゃんの匂いに包まれたまま抱き合うの、凄い幸せ。もっと近づきたい、ひとつになりたい)
(ほら、もっと気持ちいいところを触ってあげるからな。私の指で目いっぱい気持ちよくなってな)
(触りながら耳も咥えてあげる。首も甘噛みしてあげる。ぞくぞくするやろ? 遠慮せず声出してくれてええんよ)
おかしい。さっきからこの女は私のことばかりしか考えていない。
こんなのいつもと同じ、いや、いつもよりも恥ずかしくて嬉しくてどうにかなってしまいそうだ。
「んふふ……美兎ちゃん、今日はすごい濡れとるんやね」
(ああ、美兎ちゃん、私でえっちな気持ちになってくれてるの? やばい、幸せで死ぬほど嬉しいわ)
(美兎ちゃんのあそこ、熱くなって蕩けるほどぬるぬるになって欲しがってくれてる。すき、美兎ちゃんすき)
(美兎ちゃん大好き。大好きなんて言葉じゃ足りないくらいすき。お願い、もっと私で気持ちよくなって)
「っあ……だめ、楓ちゃん、これ以上はっ、それ、だめ」
やめてくれ。普段全然言ってくれないような言葉なんかを囁かれながら攻められたら、私がおかしくなってしまう。
(あっ、美兎ちゃんのナカが狭くなってきた。すき、だいすき。美兎ちゃん、私でイって、だめになって)
なにこれ、なんだこれ。次々に彼女の想いが流れ込んできて、脳ミソから身体が溶けてしまう。蕩けてしまう。
「あっ……あっ、ああ゛っ、かえれ、ちゃっ、も、だめ」
「ええよ、我慢しないで一番気持ちよくなっちゃってええんよ」
(かわいい、かわいい。私なんかの指でだらしなくなっちゃった美兎ちゃん、かわいい。誰よりもすき)
う、ううぅ。こんなの堪えられない。一番好きなあの女に、一番好きって言ってもらって頭も身体も悦びきってる。
「っ、だめ、だめっ、キちゃうよ」
「ええよ、強くするから。イっちゃえ、思いきりイっちゃえっ」
(美兎ちゃん、かわいい、かわいい。イって、私で一番気持ちよくなって、私を一番にしてっ)
「っ、っ、あっ、――――ッッ!!」
……だめだった。心の声は彼女の攻めを補助するだけで、私に有利な状況など一切生んではくれなかった。
「んふふ、美兎ちゃん。今夜はずっと、すっごくやらしい顔してる」
(私だけが知ってる美兎ちゃんの表情。かわいい。すき。私だけのものにしたい。愛してる)
登り詰めた後も、普段は絶対言ってくれないような言葉攻めがなおも襲いかかってくる。
もう今夜は攻めに回るのは無理だ。そう悟りながら、今一番欲しかった彼女の唇をねだる私だった。