「すまない。少し手伝わせて貰うよ」
袋に手を突っ込んで十枚の金貨を取り出す。それを棚の上に積み上げた。
そしてその行為を十回繰り返す。これで十枚の金貨が十セット出来て百枚の金貨が揃った。
「んあ、これで百枚になったって言うのかよ?」
「ああ、数えてくれても構わない」
「どれどれ…………本当だ百枚になってやがる!!」
偉く驚いた様子で歓喜の声を上げる店主。
私はそんな彼の事などどうでも良いので金貨を受け取って立ち去ろうと思ったのだが。
「アンタ何者だ! こんな革命的発想を思い付くなんて只者じゃねえな?」