本拠地、王国城門前で迎えた大総力戦
先方ヒバリが即死、ガチャ黒達も勢いを見せず惨敗だった
王国に響くファンのため息、どこからか聞こえる「もうコラボキャラだけでいいな」の声
無言で帰り始める兵士達の中、寝室の首位打者王子は独りベンチで泣いていた
魔神討伐で手にした栄冠、喜び、感動、そして何より信頼できる壊れ黒達・・・
それを今のアイギスで得ることは殆ど不可能と言ってよかった
「どうすりゃいいんだ・・・」王子は悔し涙を流し続けた
どれくらい経ったろうか、王子ははっと目覚めた
どうやら泣き疲れて眠ってしまったようだ、冷たいベンチの感覚が現実に引き戻した
「やれやれ、帰ってスレオンをしなくちゃな」王子は苦笑しながら呟いた
立ち上がって伸びをした時、王子はふと気付いた

「あれ・・・?お客さんがいる・・・?」
ベンチから飛び出した王子が目にしたのは、帝国領まで埋めつくさんばかりの観客だった
千切れそうなほどに王国旗が振られ、地鳴りのようにラピスおりゅやシルヴィアおりゅが響いていた
どういうことか分からずに呆然とする王子の背中に、聞き覚えのある声が聞こえてきた
「王子、守備練習だ、早く行くぞ」声の方に振り返った王子は目を疑った
「ア・・・アンナさん?」  「なんだチン○、居眠りでもしてたのか?」
「ミ、ミレイユおば・・お姉さん?」  「なんだ王子、かってにミレイユさんを年増にしやがって」
「セーラさん・・・」  王子は半分パニックになりながら出撃編制を見上げた
1番:リオン 2番:アイシャ 3番:アーシェラ 4番:シルヴィア 5番:ラピス 6番:ソフィー 7番:リンネ 8番:イリス 9番:ミレイユ 10番:アルティア 11番:カヨウ 12番:あてだよ 13番:キキョウ 14番:トワ 15番:マツリ
暫時、唖然としていた王子だったが、全てを理解した時、もはや彼の心には雲ひとつ無かった
「勝てる・・・勝てるんだ!」
セーラからアイギスの神器を受け取り、戦場へ全力疾走する王子、その目に光る涙は悔しさとは無縁のものだった・・・

翌日、ベンチで冷たくなっている王子が発見され、コーネリアとナナリーは病院内で静かに息を引き取った