青王子の歴史が、今終わろうとしている。股間はしおれ、玉は枯れ、身体は疲れ切っている。
外にはよく知らないオウタイシとかいう青年が来ているらしい、次の世界の支配者だそうだ。
「次の彼は上手くやってくれるでしょう」
女神の声が何故か聞こえた。果てしない戦いを終わらせると言いながら貢物だけを要求した女神。
あいつは何を考えている。王子は枯れた声で皆に警告しようとした。だが、何も出ない。
部屋の隅で、誰かが泣きながら王子を見ている。伝えなければ、あの意味を。
「ア・・・」
アリシアは、震える王子の手を掴んだ。たった一人、彼女は王子を見捨てなかった。