8月に行われたフラワーナイトカフェ。連日連夜ハゲにフサ達で大盛況だった
カフェ内に響くファンの大歓声、どこからか聞こえる「次は冬コミだな」との声
楽しそうに過ごすハゲフサ達の中、小説第一巻の主人公ソラルは独りカウンターで泣いていた
公式小説一巻の主人公の栄誉、喜び、感動、そして何より信頼できる花騎士達…
それを今のユアゲで殆ど不可能と言ってよかった
「どうすりゃいいんだ…」ソラルは悔し涙を流し続けた。どれくらい経ったろうか、ソラルはハッと目覚めた
どうやら泣き疲れて眠ってしまったようだ、冷たいテーブルの感覚が現実に引き戻した
「やれやれ、帰ってナイツ・アンド・バグズをしなくちゃな」ソラルは苦笑いしながら呟いた
立ち上がって伸びをした時、ソラルはふと気づいた
「あれ…? 花騎士達がいる…?」
カフェから飛び出したソラルが目にしたのはずらりと並んだ花騎士達だった
1巻から6巻まで登場した花騎士達が、じっとソラルを見つめて起立していた
どういうことかわからずに呆然とするソラルの背中に聞き覚えのある声が聞こえてきた
「団長様、害虫討伐よ、早く行きましょう」声の方に振り返ったソラルは目を疑った
「ら…ランちゃん?」 「どうしました団長さん、居眠りでもしてたんですか?」
「ぺ…ペポ町長?」  「なんだだんちょ、ペポ助を勝手に引退させやがって」
「ランタナ…」 ソラルは半分パニックになりながら部隊を見た
リュウゼツラン・ロイヤルプリンセス・ハイビスカス・アルストロメリア・パープルパンジー
チョコレートコスモス・トリカブト・コスモス・クチナシ・アブラナ
ネリネ・イオノシジウム・スイレン・ナイトフロックス・ライオンゴロシ
ペポ・ランタナ・ヒトリシズカ・バルーンバイン・アイビー
オナモミ・シャクヤク・リンゴ・ホップ・レッドチューリップ
ハバネロ・カルセオラリア・リシアンサス・ユリ・サフラン
暫時、唖然としていたソラルだったが、全てを理解した時、もはや彼の心に雲一つなかった
「勝てる…勝てるんだ!」
ナズナから勲章を受け取り、春庭へ全力疾走するソラル。その目に光る涙は悔しさとは無縁のものだった…

翌日、テーブルで冷たくなっているソラルが発見され、吉村と村田は病院内で静かに息を引き取った

50点以上評価されたら俺は晴れてあふんを卒業し春庭の金田一になる