「おや。」と、イツキはびっくりしてあてに目を落としました。
「あて、お前だったのか。いつももちもち大福をくれたのは。」
 あては、ぐったりと目をつぶったまま、うなづきました。
 イツキは、火なわ金棒をばたりと取り落としました。青い血けむりが、まだとげから細く出ていました。(おわり)