社長のルイス・メイヤーはディアナと契約しろという意味で「デブの方(ジュディ)を追い出せ」とプロデューサーのアーサー・フリードに命じた。
ところが、セックスをした相手に役や契約を回す「キャスティング・カウチ」で悪名高かったフリードは、
当時13歳のジュディと性的関係をもっていたため、間違ったふりをして、ディアナではなくジュディと契約を結んだ。

契約後、MGMはかなり肥満気味の13歳のジュディに極度のダイエットを命じた。契約内容に「スリムでいること」が含まれていた。
体質的に太りやすかった彼女は13歳にしてダイエット用の薬として当時のハリウッドのスタジオでは当たり前のように使用されていたダイエットピル(痩せ薬)で作用が弱めの覚醒剤(アンフェタミン)を常用するようになる。
『オズの魔法使』を含む、すべてのMGMミュージカルでジュディは元気一杯で歌い踊っているように見えるが、
ビリー・ホリデイがアヘンやコカインで、ジャニス・ジョプリンがヘロインで陶酔して歌っているのと同様に、実は覚醒剤の使用により「ハイ」の状態で歌っていた。

ドロシーさぁ…