早い話が推しがいるならちゃんと推さないと後悔するぞ
オトギ話:人気者の魔法使い
昔々、ある村に魔法使いの女の子が住んでいました。
その魔法使いは村人たちに愛されていて、とても人気者でした。
あるとき、村に神様がやってきました。
神様は『村で最も魅力的な娘を人気投票で決めなさい。20番目までの娘には特別な衣装を授ける。』と、命じていきました。
村は大いに賑わいます。村人たちは自分が愛してやまない娘が、特別な衣装を授けてもらえるようにと、精一杯応援しました。
ある者は『あの娘が可愛くって可愛くってしんどい』ある者は『うちの娘が一番じゃん』ある者は『Лисичка』
と、愛してやまない娘への支持を集めるために、毎日のように魅力を語り合いました。
その中で、魔法使いの魅力が語られることは、あまり多くはありませんでした。
それは、今になって魅力を語らなくても、上位に入賞するのが当たり前だと、村人たちはみな安堵していたためでした。
そして、月日は流れて、人気投票の中間結果を発表をする日がやって来ました。
その結果に村はざわめき立ちます。なんと、魔法使いは20番目までに入っていなかったのです。
村人たちは慌てます。今からでも上位に入賞させて、特別な衣装を授けてもらえるようにと、必死に応援します。
さらに、月日は流れて、人気投票の最終結果を発表する日がやって来ました。
その結果に村はさらに大きくざわめき立ちます。なんと、魔法使いは21番目だったのです。
村人たちは、どうしてもっと早く、魔法使いを真剣に応援しなかったのだと嘆きました。
魔法使いは我を忘れ、いつもの衣装のまま、一人で海へと旅立ちました。めでたしめでたし。