「あぁ…特鉄隊の頃は楽しかったな。何でこんなことになっちゃったのかな…」

特鉄隊は熾烈な戦いを潜り抜け、ついぞ世界に平和をもたらすに至った。
その後、特鉄隊は解体され、アイゼングラートも必要最低限まで軍縮。
暗殺稼業をしていた私に担える仕事はあまり無く、お役御免となった。
しばらくはその時の蓄えで持ちこたえていたけど、それも一年も前に尽きたっけ。
あまりにも独りの時間が長く、生きる気力が湧かなくて、最近では雑草や木のみを食べる生活が続いていた。
今日も日課で山に木のみを取りに来ていたら足を滑らせて谷底に落ちてしまった。足はあらぬ方に曲がっている。助けは期待出来ない。

「最後にみんなに会ったのは10年前ぐらいだっけ。タイシェトのこと覚えててくれてるかな…」

一筋の涙が頬を伝う。辛くも楽しかった思い出だけがタイシェトを慰める。
あっという間に日もくれて極寒の地に冷気が吹きすさぶ。

「心配しなくても…タイシェトは……平気……だ…よ…」

その後、タイシェトを見たものは誰も居ないという。

最終平気タイシェト ー完ー