姉に比べて特別な才能がないことに、龍人族のペトラは少しの劣等感を抱いていた。
今日も魔導要塞ネクサスの訓練室に遅くまで籠り、くたくたになって自室に戻る道すがら。
くぐもった司令官の怒号が廊下まで響いている。訓練室を出た時はルピナスかな、と気にせず自室に帰るつもりだったのだが、音源はなんと自室の隣。古の龍を操る巫女であり敬愛する姉、マイヤの部屋だった。
異様な雰囲気に怯えながらも、ペトラはノックを二回。意を決してドアを開く。

司令「だからどうしてくれんだよマイヤッ!!」
マイヤ「ご、ごめんなさい司令官様」
司「ごめんで済むかよ!! 見ろよこれ!」
ペトラ「マイヤ姉様……どうかしたの?」
司「マイヤがコケて壊しちゃったんだよ!俺たちの大事な要塞少女!!」
マ「本当にごめんなさい。わたし、弁償しましゅ、あうぅ……」
ペ「そうね、私も足りない分は出すわ。いくらくらいしたの?このゲーム……」
司「フン!! お金なんてもらってもダメだね買えねぇもん!! ソシャゲだぞコレ!! FANZAの!
  どうやって弁償すんだよ!!」
ペ「姉様……えっちなゲームに出てたんですか?」
マ「……」
司「そうだ!! 妹ちゃんでいいや!!
ペ「え…」
司「妹ちゃんが要塞少女の代わりをしてくれたら弁償しなくていいよ
  おいマイヤ、妹ちゃんの名前は!?」
マ「……ペトラ、でしゅ」
司「よしペトラ、
  すごろくになれ!!
ペ「えぇ!?」
司「すごろくだよ 早く!!」
ペ「は、はい……?」
マ「し、司令官様……もう頭が……」
ペ「司令……もうやめましょう? こんな事……ね」
司「ダメだ!! エイッ!! だったらこのすごろくを直して続けられるようにしてくれよ!!
  すーごろく!! すーごろく!! ウェヒヒヒ!ファーwwwww」