楚人に楯と矛とをひさぐ者有り。これを誉めて曰いはく「わが楯の堅きこと、よくとほすもの無きなり」と。
また、その矛を誉めて曰く「わが矛の利ときこと、物においてとほさざるなし」と。
ある人曰く「子しの矛をもって、子の楯をとほさばいかん」と。その人こたふることあたはざるなり。