終焉を愛した希望、輝く未来に憧れた破滅、対極に位置する存在が融和し、分離することによって生まれた戦場。
彼女は災禍を打ち破った唯一の『勇者』の伝説そのものとして存在しており、
戦神の核には災禍との愛の結晶が用いられている。
その為、彼女の人格は『憎悪の勇者』に至った可能性の『ジャンヌ・デッドキングメイソン』と
完全に同一のものであり、アカツキゲッコウにて再会した『黒き死をもたらす災禍』
――黒騎士ダンデライオンは、彼女のことを愛すべき最初の女性として認めている。
現在、彼女は『黒星の災禍』として記憶を失ったダンデライオンに対するすべての感情を封印した状態にあり
亡国フランフラワの聖堂にて沈黙を守り、多くのことを語ろうとはしない。
しかし、その心の中では、ある願いが常に唸りを上げている――
『ジャンヌが彼と愛し合うことが出来るなら、宇宙なんて滅んでも構わない』。