その正体はニルヴァーナどころか世界そのものを破壊する諸悪の根源、「大魔王」とも評される最強最悪の戦神「ジゲンセンソウ・サイカ」。
つまり言ってしまえば魔王たちの元締めである「災禍」で、本来は全ての戦神とミナシゴが力を合わせて倒すべき敵とも言える存在。
さらに正確に言えば、彼はこのニルヴァーナがある時空(ユニバース)とは別の時空(ユニバース)から堕ちてきた「敗北した災禍」。
本来はこの時空の存在ではない。
ゲームの舞台であるニルヴァーナに堕ち、元々の時空で自身を討ったミナシゴノユウシャと同一の存在たるジャンヌと出会った彼は……
不倶戴天の宿敵と同一人物であるはずなのに、ジャンヌを深く愛してしまった。
そこから彼はある意味で「狂った」。
ミナシゴを愛し、戦神も愛し、民を愛す心優しき魔王―――黒騎士ダンデライオンへと生まれ変わったのである。
そして彼は自身の同類たる「白星の災禍」を迎え撃つため戦い、一度は破れてしまう。
しかし、傷を癒やし仲間を集め再び立ち上がった彼は、今度こそ災禍を討ち取りこの世界に平和をもたらすべく進軍を始める。
愛を知った「黒星の災禍」による、「白星の災禍」への逆襲の物語。それがミナシゴノシゴトである。
とまあ、色んな意味で凄い戦神であるが故に、彼の戦神の力は色んな意味で規格外。
その血は今まで討ち取った魔民や戦神の呪いに侵され、
常人なら触れただけで死に至る猛毒へと変じており、肉体も普通の剣では扱うのが例えミナシゴであっても傷一つつけられないほど。
纏う鎧は高位の女神であったヘイムダルが「触ってるだけで指の感覚が無くなる」と言う程の圧倒的な破滅の力に満ちている。
彼の姿を目にした狂信者は「黙示録の魔獣、破壊そのもの」と信仰が崩れ去るレベルで恐れおののき、
英雄殺しの大悪女は「今まで見てきた中で最強、圧倒的なオスにして男の頂点」と己の存在意義が揺らぐレベルで大興奮してしまう。
更に彼には一切の物語が存在しないらしく、最悪の脚本家が彼の調伏に抵抗した際に何もない虚無を垣間見てしまった。