ロシアの侵略を受けるウクライナのウメロフ国防相は24日に同国メディアが掲載したインタビューで、動員対象となる国外滞在中の25〜60歳の男性国民全員に徴兵当局への出頭を命じる召喚状を送る準備をしていると明らかにした。
国内在住の多数の男性国民が動員され従軍する中、国民の公平性を保つための措置だと説明。近く関連法案をウクライナ最高会議(議会)に提出するとした。
前線では露軍が攻勢を強めており、ウクライナ軍は劣勢に立ちつつあるとの見方が強い。ウクライナは国外滞在者を動員して戦力を増強し、露軍の前進を食い止める思惑だとみられる。
ウメロフ氏は召喚対象となる国外滞在者の人数について「把握している」としつつ、具体的な人数への言及は避けた。国外滞在者に電子メールなどで召喚状を送ることや、召喚状を受け取った国外滞在者が出頭に応じなかった場合の処罰方法も検討中だとした。
ウクライナのゼレンスキー大統領は19日、軍が45万〜50万人の追加動員を求めていると説明していた。
ロシアの侵略を受け、ウクライナは動員に備えるためとして18〜60歳の男性国民の出国を原則禁止した。
英BBC放送の11月の報道によると、ウクライナに接する東欧諸国などに少なくとも約2万人のウクライナ人男性が不法入国していることが判明した。動員免除のための書類を偽造して不正に出国したり、国境の川を泳いで渡ったりした可能性が指摘されている。