https://news.yahoo.co.jp/articles/61832b1e27da960ab98fe9365dc7ed34b591cb7d
現代の日本は、非正規雇用の拡大により、所得格差が急速に広がっている。そこにあるのは、いったん貧困のワナに陥ると抜け出すことが困難な「貧困強制社会」である。本連載では「ボクらの貧困」、つまり男性の貧困の個別ケースにフォーカスしてリポートしていく。
今回紹介するのは「ゲームで借金200万円、アルバイトにもまったく受からない」と編集部にメールをくれた34歳の男性だ。
■スマホゲームの課金で初めて人と関わる
「人とのかかわりって、普通は小さいころから当たり前にありますよね。それを自分は20代になってお金を払うことで初めて経験させてもらったんです」
ユウイチさん(仮名、34歳)はスマホゲームへの課金で200万円近い借金を負ったときのことをこう振り返る。2015年に配信が始まった「バトルガール ハイスクール」。女子校の生徒たちを育成しながら敵と戦うロールプレイングゲーム(RPG)で、かわいらしい絵柄の少女たちが大勢登場する。
ユウイチさんは小学校から高校まで毎日のようにいじめを受けた。働き始めてからも友達は1人もできなかったという。両親以外の人との会話は、唯一ネットの匿名掲示板にその日にあったことを書き込むことくらい。ただ返事がないことも多く、コミュニケーションとは程遠かった。
そんなある日、利用していた掲示板で「バトルガール――」が始まることを知る。早速アプリをダウンロードし、掲示板でプレイの進み具合や少女たちの様子を報告し合うようになった。
「楽しかったです。毎日だれかと話をするなんて初めての経験でしたから」
■抵抗感があった「リボ払い」だが…
パート勤務で、毎月の給料は約10万円。実家住まいだったとはいえ、自由になるお金は多くなかった。最初はクレジットカードのショッピング枠を使って10万円を工面した。限度額を超えると、今度はキャッシングに手を出した。返済が滞りそうになると、スマホの単発バイトで日銭を稼いだ。初めて返済をリボ払いにしたときには強い抵抗感があったが、それもすぐにマヒしたという。
それからは寝食を忘れてゲームに没頭。左手にスマホを握ってプレイし、右手でパソコンを操作しながら掲示板に書き込んだ。1日に30万円をつぎ込んだこともあった。複数のプレイヤーが一緒に戦う協力プレイでは、強力な装備を持つ人が仲間に誘われることが多い。また、ネット上では借金も“武勇伝”として受け止められたという。
ユウイチさんは「『一緒に敵を倒そう』『熱心に課金してくれるユーザーのおかげで配信が続く』と言われ、頼りにされている、期待されていると感じました」と振り返る。
しかし、終わりはあっけなかった。ゲームは開始から4年後の2019年に配信が終了。理由は「課金による収益を伸ばすことができなかったため」だった。
(全文は記事)