そんな中で行われた事業仕分けの議論において、蓮舫氏は一貫して「2位になった場合、この計画の意義は無くなるのか。2位になった場合の、税金の使い途としてのリスクヘッジはどうなるのか」と言った主張をしている。
しかし文科省、理研は共に2位になった場合の事業の価値を説明せず、ひたすらに「1位になるためにがんばる」といった主張のみを繰り返しているのである。
それに対して蓮舫氏は「だったら、計画を一旦止めて、1位になれる計画に仕切り直すべきじゃないのか。
それとも2位でも続ける価値があるのか」と文科省に訊いているがこちらも具体的な答えが文科省から返ってくることは無かった。
すでに予算を超過している上、2社の事業撤退のせいでこのまま開発を進めたとしても世界2位になる公算が高い。その状況下で「2位になった瞬間に事業価値が0になる」となれば監査役としては首を縦に振るわけにはいかないだろう。
『米中に負けて2位になったら事業の価値は無くなるのか?』という点を蓮舫氏は文科省と理研に問い質していたのである。
しかし蓮舫が台湾ハーフで半分漢民族であるという点がたたって、世論では中国のために行った発言であるという非難が相次ぎ、ナショナリズムを巻き込んで蓮舫サイドが不利になっていった。

この議論の中で出た「2位じゃだめなんですか」発言の少し前に蓮舫氏ははっきりと「 思いはすごくよくわかるし、国民に夢を与えるものを、私たち全員が 否定しているものでは全然ありません。」と発言しており、スパコン事業の必要性自体は否定していない。
議事録の中には仕分け人側から文科省への助け舟とも取れる質問がいくつか確認できるのもその証左と言えるだろう。
つまりこの「2位じゃだめなんですか」発言の裏には『こうなってしまっている以上、1位に固執する必要はない。
結果として2位になっても事業の価値が無くなるわけではないでしょう。それを説明してください』という意味があったと議事録からは読み解ける。