じゃんゆは今日も今日とて、ベッドの上でごろごろしています。
「しにたいゆぅしにたいゆぅ」
お外では鳥がちゅんちゅんと囀っています。
どうやら天気がいいようです。
きっとみんな楽しく遊んでいるのでしょう。うらやましい限りです。
「しにたいゆぅ」
こんな堕落した生活にもいいところはあります。
たまに外出すると、パパが絵本を買ってくれます。
じゃんゆの小さな手でページをめくるのは少し大変ですが、読み始めると時間はすぐに過ぎてしまいます。
絵本の中では誰だって主人公です。素敵な未来への扉が開けているのです。
そんな時に決まってパパが、聞いてくるのです。
――なにを考えてるの?
じゃんゆはこう答えます。
「しにたいゆぅ」
お父様とお母様を燃やし尽くした炎に抱かれて、死にたい。
じゃんゆは絶望に包まれたまま消え去りたいのです。
でもパパは困ったように笑うだけでした。
絵本の内容はどれもこれも陳腐で滑稽です。
じゃんゆはもう現実を見すぎています。
だから絵本の中の世界には興味がわかないのでしょうが、それでも読み続ける理由は一つしかありません。
それは、パパが買ってくれるからです。
「しにたいゆぅ」
お外は危険がいっぱいです。
だから、おうちでごろごろしていればいいのです。
「しにたいゆぅ」
でも、零式ママはいい加減外に出なさいと言います。
そしてもういっそ、じゃんゆはうんちを漏らせばいいんじゃないかと思うのですが、パパはそれは違うと言います。
「しにたいゆぅ……しにたいよぅ」
だからじゃんゆのお尻には、今日もうんちが詰まっているのです。