目の前に約二万枚の金貨がありました。
他言無用の願いと引き換えに、パパのものになった金貨です。
「にゃ……♡ゆっ!?」
不思議なことに触ると体がにゃあにゃあしてしまいます。
他言無用の願いとはなんでしょうか?
ドラちゃんに聞いても「Wパチンコだ」とじゃんゆには理解できない話でごまかされてしまいます。
そしてアルファベットのWは一つだけです。Wといったらワーテルローの戦い――ナポレオンのことに違いありません。
彼女は自分の名前に感嘆符をつけるような少し頭の悪いところがあり、一時期はパパを自分の配下にしようとしていました。
あんな人が昔は民衆から熱烈に支持されていただなんて信じられません。何も知らない弱者を洗脳してしまうカリスマとは恐ろしいものです。
パパに武器だけ渡したらさっさとお部屋に篭っててもらいたいものです。
ど戦力的にも彼女より、ルシファーの方が役に立ちますし。
――そんな彼女にパパが願った他言無用の願いとはなんなのでしょうか?
「にゃあ♡」
金貨に触れるとやっぱりお尻がむずむずしておならがでてしまいました。お腹に力が入ってお尻の穴からガスが飛び出し、とてもすっきりしてしまいます。
ボナパルトⅪの力でしょうか。
魔力が腸を駆け抜け、パパのために溜め込んでいたうんちがお尻から出てしまいます。
「うにゃっ♡……んゆぅ♡」
約二万枚の金貨に三日分の排泄物をぶっかけてしまいました。
飛び散ったそれが金色の輝きを奪っていきます。
他言を禁ずるとは、つまりそういうことなのです。
本来、パパとじゃんゆの愛は密やかに育むべきものだったのです。
パパ以外の人の前でうんちをするなんて、純潔に泥を塗る行為に他なりません。
「ちがゆ!ちがゆ!ちがう!」
うんちがついた金貨で拭ったせいで、他の金貨にもうんちがうつってしまいました。
ベートーヴェンもきっとこのようにナポレオンに失望したのでしょう。
目の前に、磔にされたお父様とお母様の姿が現れました。
「ちがゆ!ちがう!」
パパは他言無用の願いをどんな願いに使ったのでしょう。
うんちは汚いものです。
でも、うんちをしない人なんていません。
うんちを受け止め合うことができる関係を愛と呼ぶのです。
二人だけで受け止め合わなければいけないのです。
――我が輩のようになるな。
ナポレオンの声が聞こえました。