「1KB=だいたい500文字」というカウントのされ方をする。
例えば美少女ゲームの1ルートが250KBぐらい、と相談されると
「500文字×250KB=12万5千字」
⇒400字の原稿用紙で300枚ぐらいか
⇒1日平均10KB(5000文字)ぐらい書けるなら
初稿が上がるまでは1ヶ月(20人日)ぐらいの作業量ですね、とこういう計算がされます
(注:初稿が上がるまでの計算です。その後の修正にかかる時間は別途ちゃんと計算しましょう)
ゲームシナリオの場合、報酬は「文字(KB)単価」と「人月(人日)単価」この考え方が割と用いられる。
20年ぐらい前、ソーシャルゲームが出る前のアドベンチャーゲームがたくさん世に出ていた頃は「文字(KB)単価」が多かったと思います。
だからソーシャルゲームでも最初これが当てはめられて
「1話2000文字(4KB)」とか「1000文字(2KB)」しか書けない、
こういう制約のなかで「大量に書いていたから
懐に入るお金もそれなりにあった」
パッケージゲームの単価だったのに
「ごくごく少量しか書けない」
ソーシャルゲームに
それを当てはめられると物書きが死んでしまうよと、
だいぶ人月人日計算を業界全体に
「会社員の給料と同じように考えてもうちょっとクリエイターさんにバックできないでしょうか?」
と自分を含め多くの方が呼びかけていった結果
「なんとか人日人月単価が広まってくれた」
こういう現状にあります。
ただ、それでも「文字(KB)単価が悪い」というわけではなく
会社で決められたやり方だったり予算の関係上でどうしても
「文字(KB)単価で見積もりを出す」
こういうケースが実は海外の会社でもあります。
毎月の単発の仕事ではなく半年とか一定の期間、
発注して下さる約束だったり漫画原作や別媒体の展開、
ディレクション費用やスクリプトの費用と合わせて
「これぐらいでどうでしょうか」
と条件を相談する、そういうケースも少なくなく
「クリエイターのことを考えて下さる方が多くなった」
これをここ5年ほどは、強く感じます。
「どうしても文字単価で見積もりを出して欲しい」
こういうときは先ほどのように
「作業日数は、だいたいこれぐらいかかりそうだから人日人月単価だとこれぐらい。これを文字単価に反映させるとこれぐらいになりますね」と
こういった考えで提示します。
ちなみに……
これも以前、母校である大阪芸術大学の特別講義や動画配信で言ったことですが
「売れた場合は、その成果に応じてボーナスをつけられないか?」
インセンティブ契約も多くはないですが存在はします。
ゲームシナリオは基本は買取ですが企画原作から作るとそういう小説や映像脚本と同じような報酬も得られる可能性がある。
これは夢のある話ではないかな。
とある海外の会社はゲームがヒットしたことで
「ボーナスつけといたよ」と
プロデューサーがシナリオライターに勝手にボーナスをくれた、
そういうこともありました。
こういうのも、そんなのあるの?というの知らないと
ボーナスなどない、というのが 当たり前になるじゃないですか。
だから、こんなこともあるよと世界は広いことを伝えいろんな世界があること、
ケースがあること、夢があることを伝えたいとよく言っている日々です。