「カネキくん」
 部屋のカネキがこちらを向いた気配に、彼は勃起した陰茎を外から障子に突きたてた。障子は乾いた音をたてて破れ、それを見たカネキは読んでいた本を力一杯障子にぶつけたのだ。本は見事、的に当って畳に落ちた。
 その瞬間、月山は体中が引き締まるような快感を感じた。彼は今、捕食現場で感じるあのギラギラした、抵抗される喜びを味わったのだ。
 彼はそのまま障子を明けて中に入った。