>>486つづき

 潤んだ瞳で春田に顔を近づける牧。
春田はその瞳から目を逸らすことなく、牧を見つめ返す。

 自信なさげに視線を落とした牧が、小さく震えているのを、春田は見逃さなかった。
 身体の奥底から牧への愛しさがふつふつと込み上げて来る。
 そう思った瞬間、春田は牧を引き寄せてその唇に自分の唇を重ねていた。