昨年3月の人権団体の訴えから、今なお大きな関心を呼んでいる「AV出演強要問題」。
一般紙やテレビなどで広く報道され、被害を訴える女性も相次ぎ、その影響はAV業界にとどまらず、各方面に及んでいる。
今や、業界存続に「一枚岩」と見られた関係者にも亀裂を生み、それを利用しようとする者も現れ、相互不信を呼んでいるという。

昨年10月、私は『モザイクの向こう側』(双葉社)という、AV出演強要問題を軸に据えた著書を出版した。
普段はAV業界に寄り添ってパブ記事を書いているが、この書では業界にとっては好ましくないことを数多く記載している。

書籍の担当編集者は「クレームが来るのではないか」と危惧していたが、予想に反して業界側からは反応がなくて拍子抜けしたという。
もちろん、「あんな本を出しやがって」と内心憤る関係者は多かっただろうが、少なくとも私や出版社に抗議する声は届かなかった。

「AV業界の人たちは昔から目立っちゃいけないと考えるんです。余計に叩かれるから。
黙っていればそのうち嵐は通り過ぎると考えているんですね」

大御所のAV監督はそう業界の体質を語る。
出演強要問題では、そんな業界の変わらぬ体質が如実に表れたように思える。

近年、恵比寿マスカッツがオリコンにランクインし、あまたの芸能人がAVデビューしたことで業界の地位は上がったように思えた。
しかし、実のところ「モザイクの向こう側は本番ではない」という建前で制作されるAVは、日本の法律に照らすとグレーな位置づけだった。

そこが、業界人が声を上げられない理由でもある。
業界大手のCA(元DMM傘下)もSODもこの問題では防戦一方で、DMMに至ってはCAを売却した。

しかし、このままでいいのか。
老舗メーカーのV&Rの社長であり監督でもある安達かおる氏は「現状のままでは国による介入が起こり、表現が大幅に規制される」と危惧する。
沈黙していれば嵐が通り過ぎるどころか、むしろ事態は悪化している。
AVANという女優の権利を保護するための団体は生まれたものの、本来なら前述の大手2社などが率先して強要問題の対策を打ち出すことで世間を納得させ、その代わりに業界がこれまで築き上げた表現を守る手立てを講じるべきだった。
乱暴な言い方だが、ソープランドと同様、たとえ法的にグレーでも被害者さえいなければお上もそう目くじらは立てないものだ。

すでに野外プレイもファン感謝モノも撮りづらくなっており、今後は凌辱作や、さらには本番AVすら撮れなくなるかもしれない。
そうなれば市場に出回るAVはほぼ壊滅だ。

業界を愛し、自身の制作物に思い入れがあるなら、業界はこの「出演強要問題」に誠意ある対応をすべきだろう。

以下ソース
https://nikkan-spa.jp/1284706

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