四六時中、上司から「ハメ撮りしてこい」と言われるものの、200ページ近い誌面を毎月ハメ撮りで埋めるには予算が足りない。
仮に潤沢な予算があったとしても、延々セックスの写真を掲載したところでメリハリがない。そのため、メインディッシュであるハメ撮りの価値を高めるべく、ページの至るところにパンチラ写真やらブラチラ写真やらをねじ込んで、雑誌としてのバランスを保っていた。
単純に「〇ページ以上ヌード写真を掲載するとコンビニに置いてもらえない」という切実な理由が大きいのだけれども。
エロ本なのに“どこを見ても裸だらけ”という塩梅になっていないのは上記のような理由だが、どうしようもないパンチラやブラチラ撮影には、街で声を掛けた正真正銘の素人をハメ撮り要員に仕立て上げるという目的もあった。
いくら世の中が不景気でオツムがどうにかしているネーチャンが溢れているといっても、見知らぬ男が「はした金でセックスして全国デビューしませんか?」と誘ったところで良くて無視、下手すれば殴られる。
おまけに東京都でキャッチ禁止条例が施行された2000年代初頭、都内の路上で大っぴらに声掛けをしたら、条例違反で雑誌が消滅してしまう可能性がある。
警察から狙われていたのは、もっぱら風俗やAVのスカウトマンたちだった。しかし、エロ本が該当しないとは明示されておらず、会社の顧問弁護士から「セーフの線引きが分からないので、無駄にお上を刺激することはやめなさい」というお達しが出た。
殴られた上にパクられるリスクを冒しても雑誌を作りたいなんて、編集長を除き微塵も考えていない。
部内では
「緩い撮影で引っ掛けた女をハメ撮りに持って行く努力をしましょう」
という共通認識が出来上がっていた。
パンチラなどの毒にも薬にもならない撮影の相場は3〜5千円。年頃の娘さんが数千円でエロ本に掲載されるとか、単なる罰ゲームである。
だが、それ故にこうした撮影に応じる女はハメ撮りに持って行きやすい。
その理由として
「小銭でエロに応じるほど金に困っている」
「エロ本に掲載されるという意味をよく理解していないおバカさん」
という2点が大きい。
切羽詰まっているほど金に困っているのであれば撮影の謝礼が数万円のハメ撮りにすぐ応じるし、エロ本に載ることへの抵抗が薄ければ口八丁でパンツを脱がせることは容易だ。
判断能力に問題のある人間を搾取することに大きな問題があるのは重々承知しているけれど、倫理観を持った輩はエロ本なんか作らないので一切差し支えない。
街頭でナンパのように装い、手あたり次第に声を掛ける。スカウトマンたちも考えることは同じなので、繁華街でバッティングしまくる。
当然揉めごとが起きるので、面倒を避けるため都落ち。そうして何故か茨城県土浦市まで流れ流れて街頭ナンパ。
首都圏だと声を掛けても基本的に滅多に立ち止まらないが、ほどよい田舎だと面白いように皆立ち止まる。
北関東をドサ回りして結構な人数のパンチラやブラチラを収めた。
撮影した全員とメールのやり取りや電話で信頼関係を築いたところで、目的はハメ撮りである。
どう切り出しても最終的には、「クズ」「死ね」と心温まるお言葉を頂戴して関係は断絶。10人いて関係が切れないのは、ひとりいれば上出来だ。
むしろハメ撮り目的であることを理解した上で連絡を取り合っているのだから、これ以上の安パイもない。
北関東どころか東京を除く関東圏の田舎巡りを繰り返し、着々とハメ撮りOKな素人をかき集めた。
続く
以下ソース
http://www.menscyzo.com/2017/11/post_15321.html
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