家の中はこまめに掃除してカビが繁殖しないように努めなければならないが、我々人類の宇宙での住処でもカビは大きな問題になるようだ。宇宙でカビは進化し、到着した地で繁殖して地球外生命を駆逐してしまうかもしれないという。
ドイツ航空宇宙センター(DLR)の微生物学者、マルタ・コルテザン氏は宇宙でカビは突然変異すると説明している。
先の6月24〜28日に米ワシントン州ベルビューで開催された宇宙生物学の会議でコルテザン氏は宇宙とカビについての興味深い研究を披歴している。
カビはロシアのミール宇宙ステーションの至る所に存在しており、ISS(国際宇宙ステーション)の中でも繁殖し続けているという。コウジカビとアオカビという最も一般的なカビはISSの中にも存在しているのだが、惑星間の宇宙旅行中や、宇宙放射線に対するバリアがほとんどない火星地表のような場所では通常、放射線被ばくにより死滅すると考えられている。
そこでコルテザン氏の研究チームは、カビを放射線被ばくさせる実験を行ったのだが、我々が考えているよりもはるかにカビ(真菌)は放射線への耐性があることがわかったのだ。
「私たちは今、真菌は思っていたよりはるかに多量の放射線に耐えられることを知りました。私たちが宇宙船の内側と外側を掃除するとき、それらを考慮に入れる必要があります。私たちが長期の宇宙任務を計画しているならば、おそらく宇宙旅行で生き残るであろう、これらのカビと一緒に宇宙を旅することとなります」
そしてコルテザン氏によれば、宇宙旅行でカビは突然変異し、おそらくは宇宙放射線に対して免疫を持つようになると説明している。それは、この突然変異型のカビが他の惑星への旅の道中を容易にやり過ごし、行き着いた惑星を汚染する可能性を意味する。また汚染のみならず生命体を駆逐することにもつながりかねないのだ。
敵意を持つエイリアンが地球と人類を滅亡させようとするSFストーリーは少なくないが、ひるがえってカビと一緒にやってきた人類が訪問先の生態系を意図せず全滅させてしまうとすれば、我々のほうがはるかに危険な存在なのかもしれない。
しかしながら、コルテザン氏は真菌がすべて悪いものではないことも指摘している。
同氏はカビの危険性を示唆する一方、長い宇宙旅行で必要になる可能性がある物質の生産装置として微生物を活用する研究にも取り組んでいる。真菌は細菌よりも遺伝的に人間と密接に関連していることから、地球を離れて長い宇宙の旅に出る宇宙飛行士にとって必要となるポリマー、食物、ビタミンなどの有用な化学物資を生産するのに、真菌が活用できるかもしれないのだ。
「カビは、抗生物質やビタミンなどの化合物といった重要な物質を生産するために用いることができます。カビは人間の病原菌でもあり、そして食品を痛めるものでもありますが、単なる“悪者”ではなく、抗生物質や長いミッションで必要とされるさまざまなものの生産に活用することができます」
オルタナティブ系メディア「Mysterious Universe」の記事の中で、執筆者のポール・シーバーン氏は、カビの脅威を過度に懸念する必要はないのではないかと指摘している。我々人類の歴史の中でもペニシリンをはじめとする抗生物質が適時発明されてきたように、放射線に耐性を持ったカビにもこの広い宇宙の中では新たな脅威が登場してくる可能性を主張しているのだ。
人類の宇宙進出に関して、思わぬ方向から新たな問題が浮上してきたわけだが、これまで我々がエイリアンの侵略を免れているのも、ひょっとすると地球上に偏在するカビに守られているからかもしれない?
文=仲田しんじ
以下ソース
https://tocana.jp/2019/07/post_104310_entry.html
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