>>46
ありがとう。
母子共に相応しい人生に出会えてよかった。
めでたし、めでたし!

ただし、氏の性格に染み付いた一つの習慣、虚言癖は
相変わらずであった。
実は、母親は亡くなる前、息子の手を握り言ったのは
「 こうなったのも全てアイツらのせいよ。宮内庁に
言って陛下から賠償金を取って来るのよ。いい? 」と
苦しい息の下で、一瞬だけ目を輝かせた。
しかし、氏はそれを記者には話さなかった。
今は東京へ出る交通費もない。
少し稼いで交通費を貯めたら夜行バスで東京へ行こう。
母が望んだ通り、頂ける物は頂こう。と心に秘めた決意
があるからだった。
ガラスに映し出された氏の表情に、以前の不敵な自信が
浮かんだのを記者は知らない。