再選を目指す都知事選に向けて余裕綽々の小池百合子氏(67)。男性からは「気に食わない」、女性からも「いけ好かない」という声が上がりはするが、なぜか支持率は高いまま。長く女性リーダーが生まれなかったこの国で、なぜ彼女は“女帝”として君臨できるのか。新刊『女と男 なぜわかりあえないのか』(文春新書)を上梓した作家の橘玲氏が、性差論から読み解く。(文中敬称略)

 小池百合子という政治家を、ここでは「女と男」の生得的なちがいから読み解いてみたい。このように書くと、すぐに「そんなちがいなどない。性差別だ」と怒られそうだが、視点を変えることで新たに見えてくるものもあるだろう。

 安倍政権が「女性が輝く社会」を掲げてずいぶんたつが、その間、日本の男女の社会的性差の指標であるジェンダーギャップ指数はどんどん下がりつづけ、2020年にはとうとう153か国中121位と世界最底辺になってしまった。なぜこんな無惨なことになるかというと、「経済(115位)」と「政治(144位)」の順位がおそろしく低いからだ。

 ところが(男の)政治家や企業経営者は、「女性差別」との批判に色をなして反論する。自分たちは平等に扱っているが、選挙に立候補したり、管理職や役員になろうとする女性の人材がいないのだという。

 仮にこの主張が正しいとすると、世界で活躍する女性たちに比べて、「日本の女は能力もやる気もない」ということになる(差別がないとすればほかに説明のしようがない)。これは新たな「自虐史観」であり性差別そのものだ。

 このことを強調したうえで議論を先に進めるならば、男女平等が当たり前の欧米でも、「男と女では競争に対する生得的なちがいがあるのではないか」との議論が起きている。

 子育て経験者なら誰もが同意するだろうが、男の子は集団で戦争ごっこを好み、女の子はペアで人形遊びを好む。なぜ子どもの頃からこうした性差が生じるのか。「そんなのはすべて男性中心主義の洗脳だ」という話を脇に置いておけば、もっとも説得力があるのは、「進化の過程でリスクへの異なる適応が発達した」との説だ。

 子どもを産み育てるには両親が揃っていたほうが有利だろうが、どちらか一方の選択なら母親になる。妊娠中は流産のおそれがあるし、乳児は母乳を与えられなければ生き延びられない。それを考えれば、女性がリスクを避けるように進化したと考えるのは筋が通っている。

 一方、男はどうかというと、人間社会はゴリラのようなかんぜんな一夫多妻ではないものの、ハーレムや大奥を持ち出すまでもなく、社会的な地位が高ければより多くの若くて魅力的な女を獲得できることは間違いない。だとしたら男は、リスクを負って“天下取り”を狙うよう進化したはずだ。

 獰猛な権力者に挑めば殺されるかもしれないが、だからといって、生涯「非モテ」のまま安全に暮らしていたのでは子孫を残すことができない。私たちはみな、過酷な競争に勝ち残った男たちの末裔なのだ。

 この理屈が正しいとすると、競争社会では必然的に、リスクを好む男が有利になり、リスクを避ける女は不利になる。政治家や官僚、企業のトップなど、社会を動かす「重要人物」の大半が男なのは進化論的に正当な理由があるのだ──。

 こうした主張に反発するひとは多いだろうが、これには生化学的な傍証もある。性ホルモンのテストステロンは競争に関係し、アルファオス(ボスザル)はテストステロンの濃度が高く、トップの座から追い落とされるとテストステロン値が下がる。研究者が人為的にサルの地位を上げると、それだけでテストステロンが増えたとの報告もある。

 テストステロンは睾丸や副腎から産生され、女性は生理周期によって分泌量が変わるものの、成人男性のテストステロン濃度は女性の数十倍から100倍にも達する。高テストステロンの男は、集団同士では徒党を組んで戦い、集団内では地位をめぐって競争するように(進化の過程で)「設計」されているのだ。

続く

以下ソース
https://www.news-postseven.com/archives/20200630_1573830.html

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