【薬理凶室の怪人で医師免許持ちの超天才・亜留間次郎の世界征服のための科学】

 セックス中に膣からチンコが抜けなくなる、日本語で「膣痙攣」と呼ばれている現象には、ペニス・カプティウス(Penis Captivus)、ラテン語で「捕らわれたペニス」という意味の正式名称が付いています。

 膣痙攣が一般にまで認知されるようになったのは第二次世界大戦後で、1970年代にフィクションで取り上げられるようになると日本でも浸透しました。その存在自体は1870年に症例報告され、1947年に世界的に権威ある英医学誌「BMJ」に掲載されてから徐々に一般にも認知されるようになりましたが、特に重要なのは1979年10月20日に「BMJ」に掲載された論文です。

 しかしながら、チンコが抜けなくなるペニス・カプティウスは架空の症状であり、SEX中に女性が膣痙攣を起こして、挿入したチンコが抜けなくなって合体したまま救急車で運ばれる……という話は都市伝説に過ぎません。

 なんで架空の症状が世界的にも権威のある学術雑誌にまで載ったのか? 実は1979年の論文の執筆者であるF・クレープル・テイラー博士は、イーガートン・ヨリック・デイビスが1870年と1872年に「フィラデルフィア・メディカル・ニュース」に発表した二つの症例を元に論文を書いただけで、自分で実際に症例を診たわけではありません。

 そして、フィラデルフィア・メディカル・ニュースは1884年12月13日号で、「エガートン・ヨリック・デイビスは架空の人物で、二つの症例も架空であった」と公表しています。この二つの症例報告は完全な捏造で、膣痙攣でチンコが抜けなくなるという症状は、ある高名な医師が架空の医師の名前を使って書いた架空の症例報告に出てくる架空の症例だったのです。

 その人物こそ、世界の医学に大きな影響を与えたウィリアム・オスラーT世准男爵です。今でもオスラー病を初め、「オスラー」とついている医学用語はこの人が由来です。エガートン・ヨリック・デイビス(Egerton Yorrick Davis)はオスラー準男爵のギャグネームで、架空の論文の架空の執筆者です。

 このあたりは現代まで続く19世紀の英国ジョークの文脈が理解できないと意味が解らないのですが、プラクティカル・ジョーク(practical joke)と呼ばれる、口だけではなく実際に物理的な行動を起こす悪ふざけを行う文化が大英帝国には広くあります。

 このような悪ふざけを行う時には、ペンネームやハンドルネームのようなギャグネーム(Gag Name)を名乗ります。

 人の顔にパイを投げつけるのもこうしたプラクティカル・ジョークの一つで、ハロウィンも同系統の遊びが祭りになった物です。ちなみに、ハロウィンで定番の台詞の「トリック・オア・トリート」ですが、お菓子をくれなかった場合の悪戯とは、家に生卵を投げつけることです。

 地味ながらも悪戯の後片付けが大変なので、今は片付けやすいプラクティカル・ジョーク・デバイス(Practical joke device)という悪戯の為の道具も広く流通していて、顔面に投げる用のパイや日本でも見かけるブーブークッションなど多彩な玩具があります。

 オスラー准男爵はこれを、医学論文という自作のプラクティカル・ジョーク・デバイスでやってしまった人だったのです。そして、当時はこれが社会的に許される風潮がありました。

 ちょうど、週刊少年ジャンプに掲載されていた『魁!! 男塾』に登場するウソか本当か微妙な境目がミソな「民明書房」のような存在だったのです。

 オスラー准男爵は遠くの学会に出席するたび、ホテルの宿泊者名簿や学会の出席者名簿にエガートン・ヨリック・デイビスの名前でサインを残すことで、この架空の医学者が実在しているかのように装っていました。

 住所がペントンビル、当時の英国で有名なオーストラリアに島流しにされる囚人が収容されていた刑務所の所在地になっている時点で気づけよ、って意味が込められていたのですが、アメリカのフィラデルフィアにいた編集員はジョークと気が付かなかったようです。

続く

以下ソース
https://tocana.jp/2020/08/post_166737_entry.html

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