警察庁と厚労省では、全国の総自殺者数が異なっているだけではない。都道府県別の自殺者数も違っている。というのは、警察の統計は遺体が見つかった場所に基づいているからだ。

 検視や遺体の保管、遺族への聞き取り、必要なら捜査といったもろもろの仕事を担当するのは、現地の県警と決まっている。そのため警察にとっては、現場中心の統計は、むしろ当然と言える。

 一方、厚労省の統計は、自殺者の住所が基本になっている。人口動態という視点に立てば、住民票が基本になるのは当然で、その意味で厚労省の統計にも合理性がある。 では実際に、どのくらいの違いがあるのだろうか。前回書いたように、両者の統計の取り方には違いがあるのだが、細かいところには目をつぶって、2019年の人口10万人当たりの自殺者を計算してみよう。するといくつかの県では、かなり大きく異なっていることが判明した。数字の違いが目立つ県をまとめると、次のようになる。

●警察庁(厚労省)
全国平均…16・0人(15・7人)
山梨県…22・4人(17・0人)
長崎県…17・1人(14・3人)
大阪府…14・0人(16・0人)

 まず山梨県だ。警察の統計をもとに計算すると、人口10万人当たりの自殺者は22・4人。全国ワースト3位の「自殺県」ということになる。ところが厚労省の数字(山梨県民の自殺者数)で計算すると、自殺者は17・0人で全国15位だ。他県から山梨にやってきて、そこで自殺する人が多いのである。山梨県にとっては迷惑な話だろう。だが青木ケ原樹海は、全国的に名の知れた自殺スポットだし、東京や神奈川からのアクセスもいいなど、自殺願望のある人にとっては好都合な場所なのである。

 長崎県もなぜか、県外からの自殺者が多いらしい。県民の自殺率は全国屈指の低さなのに、警察の統計では47都道府県のちょうど真ん中に位置している。これといった自殺の名所は思い当たらないのだが、海岸線が複雑で、離島も多いことなどが影響しているのかもしれない。

 それに対して大阪府は、他県に出て行って自殺する人が多いようだ。府内の自殺者数は、全国45位(少ないほうのベスト3)という少なさだ。ところが厚労省の数字で見ると、全国24位。多くはないが、少なくもないという立ち位置にいる。おそらくは、周辺の滋賀県や和歌山県で、ひっそりと自殺する人が多いのだろう。

「自殺の多い県・少ない県」を語るときには、どちらの数字で見ているのかが大切ということである。

以下ソース
https://hc.nikkan-gendai.com/articles/275512

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