自民党の簗和生衆議院議員が「LGBTは種の保存に背く」という発言をしたことが問題となっている。発言の撤回と謝罪を求める運動が起きており、一部からは批判の声もあがった。しかし、発言そのものは科学的に誤っているとは思えず、まるでガリレオ・ガリレイの異端審問を見るかのようである。

 簗和生氏は20日に行われた自民党の会合で、「LGBTは種の保存に背く」という趣旨の発言をしたとされる。この点が関係者から漏れ、取材したTBSに対して会議は非公開のため発言内容を明かすことは拒否したものの「LGBTなど性的少数者をめぐる理解の増進は必要なことであると考えております」とコメントした(TBS NEWS5月21日:自民・簗和生議員が「LGBTは種の保存に背く」事実確認避ける)。

 こうした簗氏に対して、change.orgは過去の山谷えり子参議院議員の「体は男だけど自分は女だから女子トイレに入れろとか…ばかげたことは起きている」という発言とともに撤回と謝罪を求める署名を開始。「性的マイノリティを差別するあまりに酷い発言」などと批判し、25日の段階で9万人に迫る勢いを見せている(change.org:自民党「LGBTは種の保存に背く」「道徳的にLGBTは認められない」発言の撤回と謝罪を求めます)。

 また、Twitterでも、ライターでオープンリーゲイの松岡宗嗣氏(一般社団法人fair代表理事)らが署名を呼びかけている。同氏は「『種の保存』や『道徳的』の部分はもちろん、山谷えり子議員によるトランスバッシングも、トランスジェンダーの尊厳を貶める明らかに悪質な発言」と厳しい批判を寄せている。

 与党からも野田聖子幹事長代行が「そういうことを言われた人たちがどういう思いになるか考えないといけない」と不快感を示す声が出ている。

 署名が9万人近いというものの、果たして簗氏の発言はそれほど世間から批判されるような許し難いものであったのか疑問が残る。

 かつて同じ自民党の杉田水脈議員が新潮45に「LGBTは生産性がない」という趣旨の論説(「LGBT」支援の度が過ぎる)を寄稿した際にも大きな問題となった。結果的に新潮45はそれがもとで休刊に追い込まれた。しかし、簗氏も杉田氏も共通する意見である「同性愛からは原則として子孫が誕生しない」という発想は間違っていない。

 仮に全人類が同性愛者となり、異性との性交を拒否したら、人類は50年で半減し、100年でほぼ絶滅する。その意味で「種の保存に背く」「生産性がない」と言ったのであろう。後に続く世代は異性間からのみ誕生する。それを、異性間ではない性行為においても「種の保存に背かない」「生産性がある」と言わなければならないとするのであれば、それはもう17世紀のガリレオ・ガリレイの異端審問と大差ない。

 ガリレオは審問の後で「それでも地球は回っている(Eppur si muove)」と語ったとされるが、中世の教会の愚を21世紀の今も繰り返そうとする人々は何をしたいのか。

 この問題で忘れてはならないことは「種の保存に背くという発言」と「LGBTを理解し、尊重すること」は、並立が可能ということである。

 「種の保存に背く」という発言は事実の摘示に過ぎず、本来、何らの価値観も含むものではない。「種の保存こそが生物としての絶対的な使命であり、その価値観に逆らうことなどあり得ない」などと簗氏は言っていない。それどころか「LGBTなど性的少数者をめぐる理解の増進は必要なことであると考えております」と取材に答えている。

 人間はさまざまな価値観をもって社会で生きており、中には同性を恋愛の対象にする人もいる。それはその人の生き方・価値観に沿った人生であるから非難・批判されるものではない。種の保存のために生きることだけが人生でないのは、多くの人の共通理解となっている。種の保存に背く愛情と種の保存に背かない愛情、それぞれの形態があるに過ぎない。

続く

以下ソース
https://reiwa-kawaraban.com/politics/20210525/

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