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 AV業界は近年、AI技術によるディープフェイクやモザイク破壊などの問題に直面している。そして今回、新たに編集前素材が中華系サイトに拡散するという災いに見舞われた!

 10月初旬、ネット界隈が騒然とした。AV業界最大手のソフト・オン・デマンド(以下、SOD)を中心とした人気メーカーの130作品以上の無修正動画が流出したからだ。日本のマスコミはほとんど報じなかったが、ツイッターや5ちゃんねるなどで情報が拡散。台湾メディアは「中華系のサイトで拡散か」と一斉に報じた。

 現在では海外ポルノサイトを中心にアップロードや再拡散が繰り返され、世界的な“祭り”となっている。流出した動画には人気女優たちの作品も多く含まれ、ショックを受けた女優のなかにはSNS上で苦渋を吐露するケースも。

 動画には撮影スタッフが映り込んだものや、擬似精液を用いるシーンがあったため、「外注先の海外の会社から流出」「ハッキングされた」などさまざまな憶測が飛び交った。

 これまでSOD側は沈黙を守っていたが、真偽を確かめるべく取材を申し込んだところ、グループ会社の代表が重い口を開いた。

「7月頃、外部の人から『ダークウェブで流出作品の取引がされているようだ』という情報提供がありました。間もなく、海外のあるサイトで流出作品が売られていたことが確認できたので、専門家に依頼して調査を行いました。結果、数か月間はダークウェブ以外の場所での取引はほぼ行われていなかったのですが、10月に入ってから中華系サイトで不正に販売されていることが確認できました」(SODアートワークス・金朱惺代表)

 流出発覚後、同社は当該作品の撮影から販売までの経路を洗い出し、どこから流出したのか詳細に調べたという。

「制作流通の過程で、何者かが不正に編集前の撮り素材を取得し、ダークウェブで販売したことが明らかになりました」(同)

 ダークウェブとは、近年、世界中で社会問題化しているネット上の地下マーケットのこと。検索エンジンには出てこず、暗号化された通信システムを搭載した特殊なソフトが使用される。サイバー攻撃で違法に取得されたクレジットカード情報やパスワードなどが売買されたり、銃器や薬物、児童ポルノの密売にも用いられる。

 そんな場所で日本のAVの編集前の素材の取引が行われていたとは驚きだが、リスクを背負う価値があると思われているのだろう。日本のAVは世界中で人気が高く、多くの大手海外ポルノサイトで「日本人」が人気カテゴリーに入っているのは周知の通り。

 ダークウェブで販売された流出作品はその後、中華系のポルノサイトの運営者によって購入され、拡散していったと推測される。

 AV作品が正規ルートで販売されて人気が出れば喜ばしいが、違法なルートで販売されてしまうと憂うべき事態となる。今回、制作に携わった作品が流出したというあるAV監督は言う。

「違法アップロードが横行している現状には強い憤りを感じています。正規で買ってくれるお客さんがいて、その売り上げで我々は新しい作品を作ることができ、VRなど新しい技術への投資もできます。このまま違法な状態が放置され続けると、我々制作者だけでなく女優さんも生活ができなくなり、いずれAVはなくなってしまう」

 一方、流出作品に出演していたある女優は匿名を条件に取材に応じてくれた。

「信頼関係がないとこのお仕事はできません。その中で起きたことなので、裏切られた気持ちになりました。SODが故意でやったわけではないことは理解していますが、悲しくて、悔しくて……。早く犯人を見つけて処罰してほしい」

 この被害女優を抱えるプロダクションの関係者もこう話す。

「ネットの普及でAVも隆盛しましたが、流出など負の側面があるのも事実。今回の動画はネット上から完全に消すのはほぼ不可能なので、女優の心の傷が癒えることはない。違法作品をアップロードしない、拡散させない仕組みをつくることが早急に必要です」

続く

以下ソース
https://nikkan-spa.jp/1796748

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