昨年、阪急百貨店うめだ本店に「アイシクル」というレディースブランドが初出店し、同時期に銀座松屋に「ダンノン」というメンズブランドが初出店しました。この2つのブランドの共通点はともに中国のブランドだということです。

これまで、衣料品の生産拠点だった中国がついにオリジナルブランドを日本国内の都心一流百貨店に出店するようになったということで業界関係者からは注目を集めました。銀座松屋のダンノンはイッセーミヤケの跡地ですから、相当に評価が高いことがわかります。

今回は中国ブランドが日本の都心百貨店に出店できるようになった理由について考えてみたいと思います。個人的には、理由は大きく分けて2つあると考えられます。

1、コロナ禍による追い討ちで出店できるほど体力のある国内アパレルがほとんど無くなった
2、中国ブランドのデザイン力・企画力が向上した

の2点です。

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昨年、独アディダスを抜き時価総額で世界2位に飛躍した中国発のスポーツブランド「ANTA」。今年2月に開催された北京五輪ではオフィシャルスポンサーにも(写真:アフロ)

まず、1についてですが、これまで百貨店やファッションビルをメイン出店先としてきたオンワード樫山やワールド、TSIホールディングス、三陽商会などの国内大手総合アパレル各社はコロナ禍以前から、不振が続いており、不採算店舗の大量退店を進めてきました。そして2020年初頭から始まったコロナ禍による営業自粛や営業時短が追い討ちとなり、一層の不採算店舗退店が進められることとなり、百貨店ばかりでなくファッションビルやショッピングセンターからも多くのアパレル店が退店しました。

直営店を維持するには、人件費の確保などコストが必要ですので、出店できる国内アパレル企業は中堅から大手に限られており、これらが退店した後に新規出店できるような国内アパレル企業はほとんど存在していなかったというのが今の状態です。百貨店も含めてファッションビル、ショッピングセンターも穴埋めに苦労しており、中国ブランドが出店しやすい状況にありました。これまでよりも出店のハードルが下がったどころではなく、百貨店側から積極的に働きかけた可能性も高いと考えられます。

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阪急うめだ本店のプレミアムフロアにオープンした「アイシクル」。商品は、パリのアトリエと上海のスタジオとの協業によりデザインされるという

次に2ですが、中国は西暦2000年前後から世界の衣料品生産の拠点として20年間君臨し続けてきました。20年間も多種多様な衣料品を生産していれば、生産に関するインフラやノウハウは十二分に整っています。足りないのは企画力やデザイン力といったソフト力だけでした。

2000年以降の急速な経済成長によって、海外のファッション学校へ留学する若い中国人が大幅に増えました。この結果、欧米のファッション学校でファッションデザインを本格的に学んだ多くの若者たちが生まれ、ソフト力も高まりました。その結果がこのようなブランドの創出に結びついています。日本に進出した2ブランド以外でも国内では多くのファッションブランドが育っており「国潮(国産ブランドブーム)」と呼ばれているといいます。

続く

以下ソース
https://friday.kodansha.co.jp/article/245318

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