10日投開票の参院選は事前の予想通り、自民党の大勝となった。公明党を加えた与党は参院でも非改選を含めて過半数をはるかに超え、岸田文雄政権は安定した政権運営ができる土台ができた。長期政権も視野に入った。

自民党以外の政党は、今回の選挙を経て中規模か小規模なものとなった。野党第1党の立憲民主党の衰退は著しい。自民党以外の小党乱立時代の到来だが、「自民党1強」の度合いが強まったということだ。この傾向はしばらく続く。選挙のたびに自民党の議席は増える。

しかし、それは政治の保守化や右傾化を意味しない。自民党の中に右から左までの議員がそろい、党内で綱引きが始まる。民主党やみんなの党に所属していた議員が次々に自民党に入っている。政策決定も党内の議論が主となり、国会は政府や自民党で決定したことを報告する場となる。

これまでも自民党内ではさまざまな政策をめぐって議員による綱引きが行われてきた。菅義偉前政権になって顕著になってきた。

安倍晋三政権下で封印されていた主張が、民主党やみんなの党出身の議員から出てきた。それに党内のリベラル系の議員が同調する。「こども庁」設置や、選択的夫婦別姓制の導入、LGBT(性的少数者)理解増進法案をめぐって党内は二分された。

経済財政政策でも、財政健全化を主張するグループと、積極財政を主張するグループが対立した。このようなとき、決まって「保守」の立場から大きな影響力を行使してきたのが安倍元首相だった。安倍氏の発言によって、党内の主張の対立は正常化する場面は数多くあった。

その安倍氏が8日、凶弾に倒れて帰らぬ人になった。日本の政治にとって、世界の政治にとっても7月8日は時代の分岐点になるだろう。「安倍氏のいる時代」と、「安倍氏のいない時代」の分岐点だ。

安倍氏という大きな存在を失い、「自民党はリベラルの方向に向かうのではないか」との懸念が持ち上がる。岸田首相はもともとリベラルな政治的信条の持ち主だ。経済財政政策の考えも安倍氏とは異なる。外交や安全保障政策でも安倍氏が先回りして主張し、岸田首相はその後を着いてきていた。その首相が安倍氏という重しを失って自己主張を始めたとき、どの方向に向かうのか。

国会の議席は十分確保した。公明党、日本維新の会、国民民主党を含めた改憲勢力も衆参ともに発議に必要な3分の2以上の議席を確保した。憲法改正という、大きな体力を必要とする政治課題に取り組む意志や胆力は首相にはあるのか。

安倍氏を失った喪失感は計り知れない。容疑者は、安倍氏の存在の大きさを知らなかったのかもしれない。日本のメディアにも、まだ安倍氏の存在の大きさに気付いていないところもある。死を自業自得のように評した新聞もある。

米誌タイムは15日発売号で安倍氏の写真を表紙にし、「安倍晋三は世界における日本の地位を塗り替え、最期まで影の実力者であり続けた」と題する記事を掲載した。「政治の巨人」「絶え間なくそびえ立つ存在」「日本の政治のアジェンダ(取り組むべき課題)を設定していた」などの識者談話を載せている。

安倍氏が設定した政策課題は現在進行形のものばかりだ。「安倍氏のいない時代」をどう迎えるのか。大きな課題を突き付けられている。

以下ソース
https://www.zakzak.co.jp/article/20220712-EGGWDFKTCVIOROZ32FFY2YEXRQ/

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