0001逢いみての… ★
2023/01/08(日) 23:16:54.49ID:CAP_USER* * *
日本の組織ってとかくお上の通達や、上司・チームで決めた目標数値を達成することに邁進して、苦しんでしまうんですよね。これでは本末転倒ではないでしょうか。だから途中で「そもそもこれは目標達成のため、手段が目的化していないか?」と疑問が出たりすることもあります。
分かりやすかったのが、2021年、日本政府の新型コロナウイルスワクチン接種の遅さが批判されていた時、菅義偉首相(当時)が「1日100万回」をぶち上げ、国民一丸となって100万回を達成。その路線を引き継いだ岸田政権の支持率も高くスタートしました。そしてそこから先は「種類よりもスピード」と言い出したり、「2022年中に1・2回目の接種を検討してください」「もう6回目・7回目も準備しています」となりました。海外で5回打った国など稀なのに、もはや支持率を維持するための手段と化してしまったのではないでしょうか。そしてそれを達成しようと躍起になる。
同様のものが、かつて話題になった、東芝の「チャレンジ」でしょう。東芝の転落が決定的になった粉飾決算ですが、上から達成不可能にも見える収益目標を設定され、数字上達成して見えるように悪戦苦闘した末路です。こうした例を見ても、「一度決めた目標はその数字通り達成しなくてはならない」が金科玉条となっていることが分かります。
SDGsについては、「貧困をなくそう」「ジェンダー平等を実現しよう」など、17の項目がありますが、企業はこれらのうち少しでも多くを達成しようと、多様性重視の人事制度を打ち出したり、貧困国に寄付をしたり、海岸のゴミ掃除をしたりします。
私の知り合いの広告マンは子供たちにSDGsを啓発をするプロジェクトに携わっていて、自身の勤める会社もSDGsに熱心であることをホームページ等でアピールしてきました。他の知り合いも、昨年の春頃はスーツの上着に“SDGsバッジ”を着け、その重要性を説いていました。ところが最近は、「ちょっと我が社だけでは手に負えない。“いい会社アピール”も疲れた。全部達成するのは無理……」と言い出す人も出てきています。
そうなのです! SDGsの各目標を見ると、「確かに素晴らしいものだよな」と思うのですが、その達成を目標にしてしまうと今度は人生が疲れてしまう。企業の場合は特に「エネルギーをみんなに、そしてクリーンに」「気候変動に具体的な対策を」などを重視しようと考えるのでしょうが、そこにも“SDGs疲れ”が出ているのではないでしょうか。
1月2日、ITmedia ビジネスONLINEに掲載された〈トヨタは日本を諦めつつある 豊田章男社長のメッセージ〉という記事は、まさにそれを感じさせるものでした。以下、一部引用します。
〈このままいけば、おそらくトヨタは日本を出て行く。それは筆者の妄想ではない。21年の春の時点で、既に筆者はトヨタの役員のひとりから直接そういう話を聞いている。日本政府が35年に本当に内燃機関の全面禁止を進めるのであれば、トヨタは日本を出て行かなくては生き残れない。
トヨタがいなくなった後で、オールBEV化でもオール太陽光でも、できるのならば好きにやってくれと。そんなギャンブルに全世界36万人のトヨタ社員の命運は賭けられないので、トヨタは出て行くしかない。その準備には10年は必要だ。とすれば25年には判断を下さなければ間に合わない。〉
SDGsの理念に合わせて化石燃料の絶対使用不可や完全カーボンニュートラル等の夢を追いかけるよりも、世界36万人の社員の生活を重視すべき!という主張を紹介しています。私もこちらの方が人間らしいと思いますし、無理はないと考えます。
続く
以下ソース
https://www.moneypost.jp/983873