【コロナ】米紙WSJが報じた「ワクチンを打つほどコロナにかかる」論文を医師らが検証してみた
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0001逢いみての… ★2023/01/31(火) 00:02:16.72ID:CAP_USER
 コロナ感染のリスクを減らすために接種してきたワクチンについて、その効果を疑問視する論文が発表され不安が生じている。追加接種に対して二の足を踏む人もいるが、一方でワクチンを接種しないことによる重症化リスクもある。何を信じればいいのか──。本誌・週刊ポストは専門家の協力のもと、コロナワクチンに対する様々な疑問に向き合い、徹底検証した。

 都内在住の70歳男性・Aさんはこれまで4回のワクチン接種を重ねてきた。だが、昨年10月に始まった5回目接種には二の足を踏んでいる。

「これまでワクチンの副反応もなくコロナにも感染していません。でも、最近になって、妻が『ワクチンを打っても意味がない』『体に毒らしいよ』と言い始め、急に不安になった。どうやらネットでそういう情報が出回っているらしい。5回目を打つかどうか、ずっと迷っています」(Aさん)

 Aさんのようにワクチンに対して不信感を抱く人が増えている。有効性や効果に疑問を呈する報道が急増しているからだ。直近で多くの人に強いインパクトを与えたのが、米紙「ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)」が元日に報じた〈ワクチンがコロナの新種を増殖させている?〉と題した記事だ。

 そこでは日本でも感染が確認されているオミクロン株亜種「XBB.1.5株(以下、XBB株)」について「ワクチンを打つほど感染しやすくなる」との可能性に言及している。

 同記事内では、クリーブランド・クリニック(米・オハイオ州)の医師らが医療従事者を追跡調査した研究論文の〈ワクチン接種を3回以上受けた人は未接種の人の3.4倍、2回接種した人は未接種の人の2.6倍、コロナへの感染率が高くなった〉とのデータを紹介。また〈ワクチンの複数回接種とコロナのリスクの関連性を示した研究はほかにもある〉としている。

 このWSJの記事は、日本国内の複数のメディアでも取り上げられたが、その背景には収束が見通せない感染拡大の影響もありそうだ。

 政府はワクチンが対策の切り札であるとし、2021年2月から国内のワクチン接種を推し進めてきた。高齢者を中心に多くの国民が接種を重ね、現在65歳以上の1〜3回目接種率は90%を超え、5回目も60%を超える。

 英オックスフォード大が公開する「Our World in Data」の集計では、人口100人あたりのワクチン接種回数は、日本が304.74回で世界トップだ(1月25日現在)。

 ところが、WHOがまとめた新型コロナ感染症の集計で、日本は週間感染者数が2022年11月から10週連続で世界1位を記録した。今年1月24日までの1週間の統計では約57万人で、G20のなかでもダントツの数字だ。

 なぜ、ワクチンの接種回数が世界トップなのに、感染者数が世界最多なのか──。こうした疑問がワクチンへの信頼を揺るがせているとみられるが、本当にワクチンを打つほどコロナにかかりやすくなるのか。専門家にこの論文について問うと、「鵜呑みにするのは早計だ」という意見が数多く返ってきた。医療経済ジャーナリストの室井一辰氏が語る。

「そもそもこのWSJの記事は『Nature』や『Cell』といった科学雑誌に掲載された4つの論文のそれぞれ一部分を取り上げたもので、元の論文ではワクチンの有効性について、統計をもとに肯定的に触れています。

 また最もインパクトのあったクリーブランド・クリニックの医師らの〈3回以上接種した人は未接種者より3.4倍感染率が高くなった〉という論文は査読前のもので、正式な医学研究として評価されておらず、現時点では臨床診療の指針にはなりません」

 クリーブランド・クリニックの研究論文についてはほかにも疑問点がある。昭和大学医学部客員教授(感染症学)の二木芳人医師が指摘する。

「この研究はあくまで医療従事者を対象としたものです。ワクチンの接種回数が多い医療従事者ほど重症化リスクが少ないと考えられる。そのためコロナ診療の最前線で業務に当たったり、感染対策に思わぬ緩みが生じたりして、感染リスクが高くなった可能性がある。ワクチンの効果を知るには接種回数だけでなく、それ以外の要素まで考慮する必要があります。データの報じられ方は、やや問題があると思います。

続く

以下ソース
https://www.news-postseven.com/archives/20230130_1836215.html
0002逢いみての… ★2023/01/31(火) 00:02:30.49ID:CAP_USER
 WSJの紹介した論文が代表的な例ですが、米国の疾病対策予防センターが行なった対象人数が33万人を超える調査でワクチンの接種回数が多いほど感染者も多かったとするデータをもとに“ワクチンのせいだ”とする言説などは、接種回数以外のファクターを無視しているのが問題です」

 WSJの記事は、ワクチンを繰り返し接種するとXBB株に感染しやすくなる可能性を強調している。同株は昨夏に第7波を招いたオミクロン「BA.5株」の1.47倍の感染力があるとされている。日本でも今後感染拡大の可能性があるだけに心配は募る。二木医師はこう語る。

「WSJに書かれているように、XBB株はワクチンの免疫をすり抜けるように変異しているのでしょう。ですが、ウイルスというのはそういうもので、以前から多くの研究者によって指摘されていました。たしかに今まで打っていたワクチンの効果が落ちていくでしょうが、それがイコール『接種回数が増えるほど感染しやすい』ということにはならない。この仮説は飛躍しすぎです。

 またWSJの記事では、武漢株とオミクロン株に対応する『二価ワクチン』(オミクロン株対応)について〈ブースター接種してもXBB株に対しては、抗体はほんのわずかしか増加しない〉という『Cell』の論文内容も紹介されている。これは裏を返せば“XBB株に対してわずかではあるが追加接種の効果はある”ということ。

 記事内の別の論文では、二価ワクチンがオミクロン株に感染するリスクを30%減らすことにも言及しています。ですが、日本ではそうしたプラスの面に触れることなく、クリーブランド・クリニックの研究論文の『接種するほどかかりやすい』という部分だけが一人歩きしている」

 国内でも二価ワクチンによる追加接種の有効性を示すデータは多数示されている。

 国立感染症研究所は、従来型のワクチンを2回以上接種したうえで二価ワクチンを追加接種した場合、発症を防ぐ効果は71%であると発表し、厚生労働省の資料も二価ワクチンによる追加接種について、〈短い期間である可能性はあるものの、発症予防効果や感染予防効果が期待されています〉としている。

 世界で最も接種率が高い日本で現在感染が高止まりしている状況についてはどう考えればいいか。二木医師が言う。

「これまで日本のコロナ対策は世界的に見れば中国のようなゼロコロナ政策に近く、行動制限やワクチンを用いて各国と比較して感染者を少なく抑え込んできました。しかし昨年初めに感染力は強いが毒性は弱いオミクロン株が登場して以降、第6波、第7波で死亡率が下がり、昨秋からの第8波で政府は明らかに経済活動を優先する方向に舵を切りました。

 感染対策の緩和が進んだことで、人々が飲食をはじめとする感染リスクのある行動様式に戻り始めた。そうしたことで感染が拡大している。ワクチンを打っている回数と関連づけるのは無理があるでしょう」

 先んじて経済活動を再開していた欧米に比べて、第5波(2021年7〜9月)の頃までの日本の感染者は桁違いに少なく、「ジャパン・ミラクル」と呼ばれていた。その反動がいま現われているという指摘だ。

 また各国との検査数の違いも、統計に表われる感染者数の差に関係がありそうだ。ナビタスクリニック理事長で医師の久住英二氏が語る。

「オミクロン株の弱毒化に伴って、多くの国はコロナを“風邪”として扱い、検査して正確に統計を取ることをやめました。イギリスなどは人口比に対して、新規感染者数はかなり少ないですが、コロナを押さえ込めているかというと決してそうではない。

 対して日本はほかの国々と比較して、非常に真面目に検査を受け続けている。こうした事情もあるため、各国の統計が感染の実態を正確に表わしているとは言い切れない」

 重要なのは、“何のためにワクチンを打つか”ということだ。日本ウイルス学会理事で長崎大学大学院教授の森内浩幸医師が語る。

「ワクチンを打つ最大の目的は重症化を防ぎ、死者を減らすことです。この先、ウイルスがXBB株に置き換わった際に、現状のデータによると二価ワクチンの追加接種で重症化を防ぐことができる可能性がある。

 重症化予防の観点からも、若くて健康な人たちを除き、『ワクチンをやめるべきだ』と勧めるのは暴論です」

 コロナとの戦いも4年目に入り、様々な研究や論文が発表されている。どの情報が正しいのか、今後も真摯に向き合っていく必要がある。
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