旧統一教会(世界平和統一家庭連合)やエホバの証人など苛烈な体験を負った宗教2世に対し、世間の目が向くようになった昨今、政府・与野党もその救済に奔走している。

 たまみかさん(@tamamika_jp)は幼少期に虐待や性被害を経験し、宗教2世としても辛い思いをしてきた。現在は2児の母として子育てに励みつつ、自らの過去をSNSなどで発信し、多くの共感を集めている。そんなたまみかさんに、知的障害のある兄と過ごした幼少期、宗教にのめり込んだ母との確執と絶縁、SNSなどで発信している理由を聞いた。

――たまみかさんのご家族についてお聞きします。お父様について教えてください。

たまみか:父が43歳のときに私が生まれたんですよ。だから、結構年が離れています。私が生まれたときは大工の仕事をしていて、職人気質というか、昔の昭和親父みたいな感じで、家族より仕事に生きる人でした。

――お父様は、年が離れていたたまみかさんが可愛かったと思います。Twitterなどでも、可愛がってもらった記憶があると書かれていましたよね。

たまみか:体を壊す前の父が優しかった記憶はあります。父は、アルコール依存症になって、その後に脳梗塞をしているんですよ。脳梗塞の後遺症の高次機能障害で、子どものことを認識できなくなったり曖昧になったりすることがあるので、そういうのが原因で暴力的になったのかなと今は思っています。

――お母様について教えてください。

たまみか:母が36歳のときに私が生まれました。実は私は3人兄妹なんですよ。兄が2人いて、上の兄が健常者で、下の兄が障害者でした。男の子が2人もいて、しかもその1人が知的障害で、母は大変だったと思います。母に「どうして私を産もうって思ったの?」と聞いたら、「話し相手が欲しかったから」と言われました。「そんな感覚で子どもが生まれるのか」と思った記憶があります。

――お母様はお仕事をされていましたか?

たまみか:私が小さいときは専業主婦で、時々内職をしていました。下の兄の世話が忙しくて、働きに出られなかったようです。下の兄は学校へ行くにも母の送迎が必要でしたし、1人で置いておけませんでしたから。家計は全然余裕がありませんでした。

――続けてお兄様についてお聞きします。上のお兄様は健常者だったという話でしたが、そちらは問題なく仲良くしていたのでしょうか?

たまみか:12歳離れているから、兄のようで兄じゃないんですよ。私が物心ついたときには家を出ていました。兄は16歳で高校に進学せずに家を出ました。私と同じで、家にいるのがすごく嫌だったんだと思います。

――下のお兄様は障害があったんですね。

たまみか:11歳年上の兄は知的障害で、5歳ぐらいの知能だといわれていました。だから、複雑な会話ができなかったり、衛生観念がなかったりという感じでした。暴力的で他害が怖かったです。

 兄は「今やってほしくない」というときに限ってやってくるんですよ。うどんを持っているときに殴りかかられたり、宿題をやっていてもうすぐ終わるときに全部破られたりしました。兄は「今はやめて」という私の気持ちをわかってやっているのかなと思ったくらいでした。

――たまみかさんがご家族から受けた虐待について教えてください。殴られて左耳があまり聴こえなくなり、小指と薬指も動かしにくくなったというエピソードは、かなり衝撃的でした。

たまみか:両親ともすぐに手が出るんですよ。両親自身も暴力を受けて育ったからか、「子どもは殴って当たり前」で、それがどんどんエスカレートしていくんですよね。たぶん本人たちも自分で止められなかったんだと思います。

 暴力の他には無視が結構多かったです。私は子どものときから「なんで?」と思う、曲がったことが引っかかるタイプでした。「なんで私はこうしたのにこうなるの?」と筋の通ったことを私が言ったら、両親とも無視です。都合の悪いことは無視。こちらが真っ当なことを突きつけたら無視。

――身体的な暴力だけでなく、ネグレクトも精神的なダメージが大きそうですね。

続く

以下ソース
https://nikkan-spa.jp/1897160

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