―[元セクシー女優のよもやま話]―

 元セクシー女優でフリーライターの「たかなし亜妖」がお届けする連載コラム。2016年に「ほかにやることがなかったから」という理由でセクシー女優デビュー。女優生活2年半が経過したところで引退を決意し、現在は同人作品やセクシービデオの脚本など、あらゆる方面で活躍中。

 製作費が絞られるなか、必死に作品を生み出すテレビや映画のスタッフ陣。この悲しき現実はセクシー業界にも同じことが言え、予算の中でどうにか試行錯誤しながらやりくりをする。

 勝手に予算を暴露すれば私が東京湾へ沈められてしまうかもしれないし、現場によって金額が異なるためハッキリと数字が出せないものの、みなさんが想像する以上に制作費は年々厳しくなっている。

 制作費が少ない理由は誰もが理解できる通り、「ビデオが売れないから」。売り上げさえあればいくらでも贅沢なモノを作れるが、鳴かず飛ばずなら予算を削るしかないという超シンプルな話。

 皆さんのよく知る大手メーカーも余裕しゃくしゃくとは言えない状況で、なるべく安く済ませようと考えるのが当たり前の状態である。もう湯水のようにお金を使う制作会社はほぼないと言い切れるだろう。

 ヒットを狙える女優のデビュー作や人気女優の引退など、お金をかけなければならない時はあれど、可能な限り削れる部分は容赦なくカットしていくのが今の時代なのだ。

 昔の撮影は2日撮り、3日撮りが当たり前だった。以前、セクシー女優の多忙な1日について書いた記事でも紹介したが、現在は1日で済ませるため、撮影日は非常に多忙で詰め詰め状態に……。大きな企画の場合は数日を要することもあるけれど、相当気合の入った撮影でない限り、2日撮りさえもレアになった。

 スタジオ代を節約させるために大きなハウススタジオを借りて撮るなど、場所を移動せずに一ヶ所想定で企画内容を進めるパターンも多い。私もシナリオを書いていて「時間のロスと場所代を抑えたいので、移動を極力なくした内容にしてほしい」とお願いされるほどだ。

 また、温泉ロケなど遠方に足を伸ばす企画も減少傾向にあり、海外ロケなど夢のまた夢。なるべくコンパクトに、そしてクオリティを下げないのが今のセクシー業界の常識となったため、制作陣は常に頭を抱えている毎日らしい。

 現場での食事は、メーカーの儲かり具合を判断するいいバロメーターだ。こんなことを言ったら業界人に怒られるかもしれないが、だいたいギャラの低さと弁当代(軽食や飲み物などのツナギも含む)の貧しさは悲しいかな比例しやすい。

 大手メーカーは楽屋弁当として名を馳せる業者を頼るケースが多いものの、小さなメーカーや売り上げが厳しいところは、オリジン弁当の「のり弁」(税込320円)や近所のスーパーのお弁当を用意しがちだ。

 オリジン弁当は美味しいからいいとして……。現役時代、私は一度だけ半額の値引きシール×2が貼られたお弁当を出されたことがある。売れていないから女優としての人権がないのだろうか……と勝手に暗い気持ちになり、半べそをかきそうになりながらご飯をかきこんだ。

 きっと「メシが用意されるだけマシだと思え!」なんて意見が飛んでくるだろうけど、値引きシールはあまりお目にかかりたいものではない。当時20代前半のうら若き乙女だったたかなし亜妖は「世の中って色々大変なんだな……」と世間の厳しさ、そして景気の悪さを現場から学ぶのであった。

 エキストラを除き、女優の仕事で最も安いギャラは「企画もの」で1本3〜5万円。この金額を高いと捉えるか安いと捉えるかは人それぞれだが、裏方チームには終日現場拘束で5万円〜のメイク担当もいれば、シナリオ1本で7〜10万円以上が支払われる執筆家もいる。

 時間効率だけで考えれば女優よりギャラの高い人はいないけれど、数字だけを見れば演者と金額がそう変わらないスタッフが存在するのもよくあること。特に技術系はケチるほどクオリティが分かりやすく下がるため、妥協できないぶん他のところで削るしかないのだ。

続く

以下ソース
https://nikkan-spa.jp/1939814/

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