再生可能エネルギーに関する内閣府のタスクフォース(特別作業班)に提出された資料に中国企業のロゴが表示されていた問題をめぐり、国民民主党の榛葉賀津也(しんば・かづや)幹事長が3月29日の記者会見で、河野太郎規制改革担当相の責任を厳しく追及したことが話題になった。沈黙を守る野党も多いなか、榛葉氏に「再エネと中国の影」について改めて聞いた。

「野党第一党の立憲民主党は追及におよび腰だし、政権与党も『政治とカネ』問題への対応で頭がいっぱいなのか、全然この話をしていない。だが、大変な問題だ」

榛葉氏は語気を強めた。

問題の資料を提出した大林ミカ氏(タスクフォースの民間構成員を辞任)が所属する「自然エネルギー財団」は、日本と中国、ロシアなどを結ぶ再エネの送電網「アジアスーパーグリッド」(ASG)構想を提唱してきた。

「エネルギー自給率が10%前後のわが国にとり、その安定供給は国の生命線だ。原子力は止めろ、火力も止めろ、脱ダム宣言だ、全部自然エネルギーでいい、何かあったら送電網で相互活用すればいいなどという主張はあり得ない。送配電で中国やロシアにコントロールされたらどうするのか。これはまさに国を売る話だ」

榛葉氏は、大林氏のタスクフォース入りの経緯にも改めて疑問を呈した。「林芳正官房長官が(3月28日の記者会見で)『内閣府事務方が提案した案を河野氏が了承した』と話したが、そんなことを官僚が決めるわけがない。河野氏は外相時代にも大林氏を起用していた」と指摘する。

河野氏が外相時代の2018年に立ち上げた気候変動に関する有識者会合では、メンバー9人のうち、3人が大林氏ら同財団関係者だったことにも言及した。「公的な有識者会議のメンバーの経歴などをきちんと調査してきたのか。セキュリティー・クリアランス(適格性評価)の観点からも政府や河野氏には説明責任がある」と強調した。

河野氏は防衛相当時の20年に全国の自衛隊施設で再エネ電力の導入を促進した。防衛省の発表では、23年度は全国969施設のうち36施設が再エネ比率100%の電力調達を実現している。

防衛副大臣も経験している榛葉氏は「調達先には華僑が大株主のタイの企業の子会社も入っているが、どの駐屯地のどの部隊がどれだけ電気を使っているかなど全て分かってしまう。河野氏が防衛部門にまで自然エネルギーを持ち込もうとしたことは大問題だ」と批判した。

メガソーラー(大型太陽光発電施設)を含む再エネ関連施設をめぐっては、中国など外資による用地買収の懸念も大きい。

「太陽光パネルも約30年で寿命を迎える。リサイクルのコストも含めて欧州は自然エネルギーのおかしさに気づき始めているが、日本は中国への依存度を高めている。再エネの推進は、もう止めた方がいい。国防とエネルギーの安全保障は譲れない問題だ」。榛葉氏はそう力を込めた。

以下ソース
https://www.zakzak.co.jp/article/20240403-BPMWFKLZGJNFTHLPMB7VVKXDNE/