それからあとママはいつもはユキちゃんだけに見送りさせるのにドアのところまで来て
「ユキちゃん、ケイさんをお見送りしてね。私は行かないけど。ホホホッ」
とか店の若い小姐に
「今日もユキちゃんに見送ってもらうの？」
「見送ってもらうよ」
「いいですね」
「いいだろ」
と冷やかされるようになった。うるさいなと思ったけど不快ではなかった。
暖かく見守られてる感じ。でも皆知ってるんだと思うとキスするときにこちらが
緊張するようになってしまった。ユキちゃんはそれまでと同じで軽くほっぺや
首筋をこちらに向けてくれてた。　
ユキちゃんは三十才過ぎだけど可愛くていい女だな。