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「パパ活」という言葉が誕生したのは2015年。
作ったのは、業界最大手の交際クラブ「ユニバース倶楽部」だ。
2011年に木田聡代表(46)がほぼ1人で立ち上げ、今や従業員約140人を擁する
組織へと成長した。全国14拠点と海外部門があり、会員は約11500人。
男性会員から数1万?数十万円の入会金や年会費、最初のデートのセッティング料金
を支払ってもらい、女性会員とマッチングするサービスだ。

木田氏によると、「パパ活」という言葉は社内会議で産声を上げた。

「女性(会員)の求人のために考えたものです。若い女性コーディネーターが
パトロンやパパという単語を、僕が婚活や就活といった“??活”という案を
持ち寄って、じゃあパパ活で良くない? と決まりました。
爆発的に広まったのは2年後くらいのことです」

女性の求人に新たな言葉が必要だったのには、理由がある。

開始した当初、登録にやってくるのは、複数の交際クラブを転々とするよう
な業界慣れした女性が大多数だった。男性からは「求めているのは
こういうのじゃない」という指摘があったと木田氏は振り返る。

AV女優より普通の子

「女性会員には4段階のクラス分けがあり、当初は、1番上が有名なAV女優、
次がルックスのいいキャバクラ嬢、3番目が普通の子と設定していました。
ところが男性の満足度は下のクラスにいくにつれて上がるというのが次第
にわかってきて。もっと『(金銭感覚含めて)普通』な女性とのマッチング
に将来性と未来がある、と考えた時に、交際クラブという言葉だけでは
魅力的な女性に来ていただける限界を感じたのです」

そうした経緯で打ち出した「パパ活」という言葉を広めたのは、
アフィリエイター(特定の商品を自らの運営するホームページやブログなどで紹介し、
成果報酬を得る人)たちだった。出会い系のアフィリエイト(成功報酬型広告)
で稼いできた彼らは、より多くの女性の心を掴み、出会い系サイトへと
誘導するために、パパ活というキーワードを発展的に利用した。
「肉体関係なし」というイメージ付けをしたのだ。

ユニバース倶楽部のサイトでは、入会者の求めるものとして「愛人」
「お手当の発生するセフレ(セックスフレンド)」という記述があり、肉体関係
なしとはどこにも明記していない。しかし、「パパ活」という言葉がより軽い
関係性を指すもののように1人歩きしたことで、女性の裾野は一気に広がったという。