店を辞めたのは今年6月。
コロナの影響で客が減り続け、給与の未払いもあったことから、これ以上はやれないと感じてのことだった。
大学を卒業後、新卒で入社したエステ店は1年ほどで退職。
それから5年ほどを、夜の街一本で過ごしてきた。
知り合いから教えてもらったのは「パパ活」だった。
「その子もずっとキャバ一本でやってきた子で、
やることがないからパパ活やってるって感じで。
体の関係持たずに、デートとかご飯だけでも本当にお金がもらえるっていうので、
出会い系アプリに登録してやってみたんです」(瀬戸さん)
「パパ活」とは、
主に若い女性が、自身の生活をサポートしてくれる「パパ」を探す活動をすること。
言葉だけを見ると、返済不要の奨学金をプレゼントしてくれる「あしながおじさん」
を彷彿とさせ、
瀬戸さん自身も、自身の「オンナ」を売りにして楽に稼げるものだと考えていたが、
実態はもちろん違う。
結局、体の関係を結ぶことなく援助をしてくれた男性は一人もいなかった。
一回会うごとに体を合わせ、
2万円から3万円の現金を手渡してくれる男性は数人出来たが、
自身のプライドは形がわからなくなるほどまで削られた。
瀬戸さんがやっと気づいたのは、自分の考えの「都合の良さ」だった。
「パパとか言いながら、結局は私にお金をくれる人を探していただけでした。
体の関係がなければより良くて、ご飯とデートで相手も喜んでくれるはず、
という思い上がりです。
あちらだって当然、私のことを『体』としか見ていない。
パパ活という言葉、すごくカジュアルに使われていますが実態は売春そのもの」
(瀬戸さん)