<その一>

本当にオキニを切ってしまった。3年前のことだ。
金で結ばれた”情交”とは分かっていたが、そこは男と女、人間同士の
肌の触れ合いである。所詮は金で結ばれたソープ嬢(売春婦)とその客。
しかし、彼女への思い、のめり込む気持ちは次第に強まり、その分出費もかさんでいった。
金額も1年で200万を超えた時、自分は”愛の告白”をしてしまった。しかし、答えは無碍にも
拒絶されてしまった。それどころではなく、失笑され嘲笑され最後には罵倒されてしまった!
ソープ嬢の素の部分が手のひらを返したように表れた瞬間だった。自分の心は粉々に
粉砕されてしまった。自分はただの”諭吉”だったのか・・・・・!

それから数日後、彼女の出勤時に自分はやってしまった。
突如、彼女の前に立ちはだかり、無言でカッターナイフを彼女の頬に走らせてしまった。