ソープで嬢を抱いてると、情が移るのか、その子がその後どんな人生を歩むのか気になることがある。本人には言うわけないが。
こんなことを思うになったのは、ある些細な出来事があったからだ。
おれは某家具店で働いてるんだけど、休日に洗車していると、90歳を越えるかという婆さんがヨタヨタ歩いてきた。
「○○にいきたいんだけど。」
耳を疑った。年寄りが歩いて行ける距離じゃない。認知症かと思ったがどうも違う。行き先も目的もはっきりしており、話も理路整然としている。外出に不慣れなようだ。
警察に頼ろうかと思ったが徘徊老人の保護と言うには大げさだ。すぐに駆け付けてくれるような身内もいないらしい。やれやれ、おれがひと肌脱ぐしかないらしい。
おれの車はジープなので車高が高い。案の定婆さんは自力で乗れないのでおれが押してあげた。婆さんの尻を触るのは避けたかったが仕方ない。
車を走らせると婆さんは嬉々とした顔をし、饒舌になった。身の上話だ。聞き流そうとしたが、意外と興味深い。
若い頃は進駐軍とよく遊んでいて、ジープに乗せてもらった。進駐軍は優しくて、最近まで敵だったとは思えなかったそうだ。