>>146
つづき
「わりと高級な老健施設で働いていました。」
半ば想定の範囲内の答えだ。介護関係の仕事は風俗嬢の供給元としてとメジャーだよなぁ(建前も含まれるだろうが)などと短絡的に考えていたら、嬢が続きを話し始めた。
「施設に刑事が来たんです。利用者の家族から、窃盗の通報があったって。」
重い。フィクションだとしても想定の範囲外だ。聞けば介護施設ではこういった窃盗事件が時々あるらしく、彼女は担当ということで疑いをかけられてしまったらしい。
結局犯人は他の同僚だったそうで、後日示談をして事件が明るみに出ることはなかったそうだが、この件のせいで精神に不調をきたして辞めてしまったとのこと。
「落ち込んでいたときに、友達に誘われてホストクラブに行ったんです。二人とも初めてだったんですけど…あとは想像の通りだと(笑)」
なんだか意外に感じた。人は見かけによらないという前提があっても、この嬢はホストに依存するように見えなかったからだ。